DSC-WX1は、高級レンズに冠せられる「Gレンズ」の称号を持つ広角24mm(35mm判換算時)スタートの光学5倍ズームレンズを搭載。焦点距離は24-120mmで、F値はF2.4-F5.9。テレ端のF値はやや暗めだが、ワイド端の開放F値が明るいレンズを搭載することで、より速いシャッタースピードで撮影ができるため、手ブレ・被写体ブレの防止に役立つ。光学式手ブレ補正も内蔵しており、低速シャッターでの手ブレも抑えられる。

レンズは沈胴式。見た目は標準的だが、24mmという広角レンズが楽しい

24mmという広角レンズは、歪曲収差はあるものの広い風景や狭い室内での撮影などで威力を発揮する。28mmレンズ搭載カメラは多いが、24mmクラスになるとさらに一段、広々とした画像を撮影できる。基本的に広角レンズは撮影が難しいものだが、細かいことを考えなければ、これまでは撮れなかったような広いエリアを1画面に納められるのがメリットだ。

開放F値F2.4は、たとえばDSC-W170の開放F値F3.3に比べて約1段分明るいので、普段ISO400で撮影するシーンでもISO200で撮影できる。低感度で撮れるためノイズの少ない写真が撮れるといったメリットがある。

Exmor Rと24mm・F2.4のレンズという2点が、DSC-WX1最大の特徴だ。これまでよりも低感度で撮れ、高感度でもノイズが少ないというメリットは、ほかのデジカメにはない得難い特徴だ。

分かりやすい操作性

基本的にDSC-WX1はオートで撮影するカメラ。そのため、「おまかせオート撮影モード」を搭載。このモードだと、カメラがシーンを自動認識して最適な設定で撮影してくれる。

おまかせオート撮影モードでは通常のシーン認識に加えてアドバンスも選択できる

認識されるのは夜景&人物、夜景、逆光&人物、人物、風景、マクロなど8種類。おまかせオート撮影モードにはさらにアドバンスモードも用意されており、こちらを選択すると夜景や逆光などの失敗しやすいシーンで2つの設定で撮影をしてくれるので、あとからよりよい方を選べる。

強い逆光のシーンで、アドバンスモードで2枚撮影されたもの。1枚は暗部が持ち上げられている

従来通り、顔検出機能「顔キメ」と笑顔を検出して自動でシャッターを切る「スマイルシャッター」も搭載。笑顔に合わせてシャッターを切ってくれるので、シャッターチャンスを逃さず撮影できる。

スマイルシャッターは十字キー左で一発起動

笑顔の検出精度は3段階から選べる

動画撮影機能としては、720pのHD動画撮影に対応。記録フォーマットはMP4なのでPCでのハンドリング性もよい。カメラとHDTVを接続して動画を再生することも可能。HDMI端子はなく、AVケーブルで接続する。

モードダイヤルを回すとアニメーションで現在のモードが分かる

動画モードでは水中撮影モードも用意。ハウジングを使った撮影で使える。広角レンズを搭載し、高感度でも低ノイズなので確かに水中撮影に適していそうだ

シーンモード以外、手持ち夜景や人物ブレ軽減、スイングパノラマといった機能もモードダイヤルに配置されているので、迷うことなく手軽に使える。おまかせオート撮影やプログラム撮影(P)モードでは、シャッターボタン隣にある連写ボタンを押すことで、秒10コマの高速連写を素早く設定可能。

ISO感度やホワイトバランス、露出補正は下部にあるMENUボタンを押す。画面左にアイコンが並び、十字キーの上下で項目を選び、左右でそれぞれの設定を変更する。十字キーにはDISP/フラッシュ/セルフタイマー/スマイルシャッターが並ぶ。

ボタン類はそれぞれ小さいが、きちんとしたクリック感があって押しやすい

露出補正画面。もう少し素早くアクセスできればよいのだが

再生時のDISPボタンは押す度に、通常表示/明るい/明るい+ヒストグラム/明るい+情報表示なしの設定が循環するが、基本的には「明るい+ヒストグラム」と「明るい+情報表示なし」があれば十分な気がする。

いくつか気になる点はあるが、基本的に操作は分かりやすく、ほとんど迷うことはないだろう。全体的な動作も速く、不満はない。特にExmor Rの効果は高く、高感度画質は従来のコンパクトデジカメとは一線を画すレベル。24mmの広角レンズや秒10コマの連写、スイングパノラマという機能も便利で楽しく、多くの人にお勧めしたいカメラだ。

作例