穏当なアップデート

Mac OS X/Darwinに収録されているWebサーバやファイルサーバなどオープンソース製品は、システムのアップデートにあわせて更新されることが多い。実際、Leopard公開時にはApacheが1.3系から2.2系に、PHPが4.4系から5.2系に変わるなど、リリース時点における"新しめの安定版"を採用する傾向がある。

Snow Leopardでもそのパターンは踏襲され、多くのオープンソースソフトが更新されている。特にCUPSはApple社員が開発を主導している(2007年に社員ともども買収。「AppleがCUPSを買収 - PC-UNIXの印刷機能はMacが発信?」)ということもあり、Snow Leopardが発売されるタイミングにあわせて新機能搭載の最新版がリリースされた。例外的にSambaはPanther公開時と同じv3.0系だが、そのほかは着実にアップデートされている。

■表:Snow Leopardに収録されたオープンソースのサーバ/開発系ソフト(抜粋)
Apache 2.2.11 Python 2.6.1
CUPS 1.4.0 Rails 2.2.2
CVS 1.12.13 Ruby 1.8.7
GCC 4.2.1 RubyGems 1.3.1
Java 1.6.0_15 Samba 3.0.28a-apple
OpenSSH 5.2p1 SQLite 3.6.12
Perl 5.10.0 Subversion 1.6.2
PHP 5.3

Terminalのココが変わった

タブ対応などLeopardで長足の進歩を遂げたターミナルエミュレータ「Terminal」は、Snow Leopardでv2.1にバージョンアップ、いくつかの変更が加えられている。

最初に気付くのは、フォントの変化だ。Leopardまでは、等幅フォントのMonacoが標準のフォントとして使われていたが、Snow Leopardでは新たに収録された「Menlo」に変更されている。Xcode標準のフォントも同様にMenloへと変更されているので、すでにご承知の向きも多いはず。フォントブックで情報欄を確認すると、Bitstrem Veraをベースにデザインされているとのこと。Monacoも変わらず収録されているので、好みで設定を変更すればいいだろう。

新しく標準の等幅フォントに採用された「Menlo」(左)。よく見れば、Monaco(右)とは「a」などの字形が異なる

紹介する順序が逆になったが、今度のTerminalの目玉は「ウインドウ分割」だ。ショートカットキー([Command]+[D]キー)を押すか、ウインドウ右端の「日」に似たボタンをクリックすれば、ウインドウを分割できる。分割解除は[SHIFT]+[Command]+[D]キー、または「日」の下に表示された「□」をクリックすればOK。それなんてGNU Screen? などと無粋は言わず、標準の機能として気軽に使いこなしたいものだ。

ショートカットキーで気軽にウインドウを分割表示できるようになった「Terminal」