KDDIは9日、デザイン性を重視した携帯電話ブランド「iida」の新製品2モデルを9月中旬から順次発売すると発表した。16人のデザイナーとともに充電器などのオプションも開発しており、iidaの世界観をさらに強化していく。同社の高橋誠取締役執行役員常務は、「元気がないといわれているauだが、iidaをきっかけに新しいイメージや活力を感じてもらえている」と効果を強調する。

iidaの新端末「PLY」(左)と「PRISMOID」

iidaは、今年4月に発表された新ブランド。Innovation(革新)、Imagination(想像力)、Design(デザイン)、Art(アート)の頭文字をとったブランド名で、デザインに注力した「au Design Project」を発展させ、ユーザーの「ライフスタイルを創造する」ようなブランドを目指している。

iidaのブランドテーマとプロダクト作りの方向性。au Design Projectから発展し、デザイン性を重視するだけではなく、ユーザーのライフスタイルの創造を目指す

すでに「G9」や「misora」という端末に加え、芸術家の草間彌生氏がデザインした「ドッツ・オブセッション、水玉で幸福いっぱい」「私の犬のリンリン」「宇宙へ行くときのハンドバッグ」といった独特の端末をリリースしてきた。また、周辺アイテムとしてプロジェクター「MOBILE PICO PROJECTOR」、ACアダプター「MIDORI」といった製品が発売されており、半年で計9アイテムをリリースした。

既存の製品

積極的なテレビやWebでのプロモーション活動に加え、ユーザーの声をリミックスしてオリジナル楽曲を製作できる「iida Calling」は、カンヌ広告祭でサイバー・ライオンブロンズを受賞するなど、iidaの世界観が評価されてきている。そうした中、同社の調査によれば、iidaの周辺アイテム「LIFESTYLE PRODUCTS」を魅力に感じている人が半数を超え、認知度も向上。iidaによってauへの関心が高まり、新しいイメージを感じる人も増えてきているそうだ。「auとiidaが刺激しあっていて、互いに成長するブランドになってきている」と高橋常務は強調する。

カンヌ広告祭でライオンブロンズを受賞したプロモーション

高橋誠取締役執行役員常務

高橋常務は、iidaをスタートして半年たち、「3つの非常に良かったことがある」と話す。1つめは上記のiidaの認知度が向上したことで、2つめはiidaのブランド、プロダクトに対して賛同するデザイナーが増えてきたこと、そして3つめとして、iidaが携帯電話だけでなく、周辺アイテムやデジタルコンテンツへと広がっていることを挙げる。

市場はデザイン志向が進み、自分のこだわりなどの感性に響く商品が期待されているという

iidaブランドは、auへの興味を引き、そのイメージも一新したという人が増えている

iidaのLIFESTYLE PRODUCTSに魅力を感じる人が半数を超えた

端末だけでなく、周辺アイテムを含めたトータルでiidaを展開していく

今回は、携帯電話2モデルに加え、LIFESTYLE PRODUCTSとして23アイテムを用意。順調にラインナップを拡大させていき、「トータルとしてiidaを表現したいという思い」(高橋常務)を実現していきたい考えだ。

デザイナーたちが作るiida

その新端末となるのが、「PLY」「PRISMOID」。PLYは「層」を意味する英単語で、その名の通り、5つの板を重ねたようなデザインとなっており、横から見ると複数の色が積み重なるようになっているのが特徴。サイドキーは右側面に集め、さらにアドレス帳などのインデックスのようなデザインになっている。デザイナーはNY近代美術館(MoMA)に永久収蔵された「カドケシ」などで知られる神原秀夫氏。

薄い板を組み合わせたようなPLY

サイドキーがインデックスのような形状。マナーキーはスライドさせるがあとのボタンは押す

本体はスライド式

背面にはカメラとFeliCaチップ

PLY(層)という名前の由来がよく分かる側面

PRISMOIDは、角錐台という意味で、コンセプトは「未来的な未来」。全体を面取りした独特な形状と使いやすさの両立を追求したという。本体側面に有機ELディスプレイを備え、時間やニュースなどを確認できるようになっている。デザイナーはINFOBARなどでおなじみの深澤直人氏。

PRISMOID

面取りされて手にフィットする独特のデザイン

本体側面にあるのは有機ELパネル

逆側はシンプル

本体は折りたたみ型

背面

この切り欠きに指をかけて開くと開けやすい