また、これらSnow Leopard向けに用意された(64bitバイナリ収録の)アプリケーションは、Snow Leopard以前のシステムでは実行できない。試しにLeopardからSnow Leopardのアプリケーションフォルダをのぞいてみたところ、Safariやプレビューには"進入禁止"のマークが表示されていた。実際にテキストエディットをLeopardにコピーして試したところ、実行できなかったこともあわせて報告しておく。

LeopardからSnow Leopardのアプリケーションフォルダを表示したところ。後方互換性を考慮せずSnow Leopard用にビルドされたアプリケーションには、"進入禁止"マークが表示されている

■表:標準装備されるアプリケーションの64bit化対応状況
x86_64 i386 PowerPC
Automator ×
Dashboard
Dock ×
DVD Player × ×
Finder ×
Front Row ×
iCal
iChat ×
Mail ×
プレビュー ×
QuickTime Player(X) ×
Safari ×
Time Machine
画面共有
システム環境設定
テキストエディット ×

カーネルの動作モード

このように、64bitコードを実行可能なCPU(Intel 64対応/旧称EM64T)を搭載したマシンであれば、Snow Leopardは64bitコードを優先して実行しようとする。しかし、冒頭で述べたように、テスト機の第3世代MacBook Proのカーネルは32bitモードで動作している。本稿執筆時点では、デフォルトで64bitモードが適用されるハードウェアは、公式には2008年発売以降のXserveのみだ。

公式にはサポートされないが、条件を満たすハードウェア/ファームウェアを利用する場合、システムブート時に「6」と「4」のキーを押し続けることで、カーネルを64bitモードで起動できることが知られている(「【レポート】64bit完全対応のSnow Leopard、実はデフォルト起動は32bitカーネル!?」)。残念ながら、筆者のテスト機種はこの方法ではカーネルが64bitモードとならず、システムプロファイラの「64ビットカーネルと機能拡張」欄も「いいえ」のままだ。

カーネルの動作モードは、システムプロファイラで確認できる

次回は、各種ベンチマークソフトを利用し、Snow Leopardがどの程度高速化されたかについて検証してみたい。