Mac OS X Snow Leopardレポート集となる
「【レポート】話題のユキヒョウを追う「Snow Leopard、ココに注目」(1)」
もあわせてお楽しみください。
レポート第2弾となる今回は、少々予定を変更して、Snow Leopardにおけるアプリケーションの64bit化について解説してみたい。
なお、Snow Leopardの導入にあたり、筆者は2006年10月発売の第3世代MacBook Pro 2.33GHz(Late 2006、MA610J/A)をテスト機として選定した。グラフィックスチップなど一部スペックは最新機種に見劣りするが、Intel Core 2 Duo 2.33GHzという現在も通用する基本性能を備えること、そして何よりふだん執筆用に使っているマシンであり、"速度を肌で知っている"ことが理由だ。OpenCLなど一部新機能は検証できないが、旧モデルにSnow Leopardを導入するとどうなのか、多くの方の参考になると考えている。
アプリケーションの64bit対応
結果からいえば、Snow Leopardは「速い」。カーネルは(Leopardと同じ)32ビットモードで動作しているが、多くのアプリケーションはLeopardのときより明らかに体感速度が上がっている。
その理由の1つが、アプリケーションの64bit対応。Leopardでは、Chessなど一部の例外を除き、標準装備のアプリケーションには32bitバイナリしか収録されていない -- 大半はi386とPowerPCのユニバーサルバイナリ構成 -- ため、CocoaやCarbonなど主要APIが64bit対応を終えていたにもかかわらず、そのメリットを十分に生かすことができなかった。しかしSnow Leopardでは、FinderやDockといったUI部分を司るアプリケーションのほか、SafariやMailなど標準装備のアプリケーション群の多くが64bit対応を完了している。
たとえば、標準装備のWebブラウザ「Safari 4」は、PowerPC非対応のIntelプラットフォーム専用としてビルドされ、i386とx86_64の2種類のバイナリを収録しているが、実行環境に応じてi386とx86_64バイナリのいずれかが選択される。具体的には、テスト機のMacBook Pro 2.33GHz(MA610J/A)では64bitモードで実行されるが、ポリカーボネイト筐体の初代MacBookなどCore Duo搭載機では32bitモードで実行される。
64bit CPUを搭載した機種では、Finderでアプリケーションの情報ウインドウを表示すると、[32ビットモードで開く]チェックボックスが現れる。これをチェックすれば、アプリケーションを32bitモードで実行することも可能だ。なお、Intel Core Duo/Soloなど64bit動作モード非対応のCPUを搭載した機種の場合、このチェックボックスは現れない。