「スピード」という点では、64bit対応により、大量のRAMを利用できることでの高速化、Finder、Mail、iCal、iChat、Safariといったシステムアプリケーションが64bit化したことなどが影響している。

同社では、Finderの反応が速くなり、Mailでは、これまでの従来に比べて2倍の速さでメッセージをロードでき、Time Machineでは、最初のバックアップにかかる時間が最大80%速くなり、さらに、64bit版となったSafari 4では最大で50%も動作が速くなるとしている。

また、Grand Central Dispatch (GCD)によって、マルチコアプロセッサの優位性を利用するアプリケーション開発のための新たな提案が可能になり、今後は対応アプリケーションが登場することでCPUの機能を最大限に利用できるようになるほか、OpenCLによって、GPUのパワーをゲームミング用途だけではなく、一般的な用途にも活用ですることで、より高速な処理ができるという。

Microsoft Exchange Server 2007のサポート

そして、最後のポイントである「Exchange」では、Microsoft Exchange Server 2007のサポートを指す。「Windowsとの互換性では4つ目のステップとなるのがExchange。これまではデータの互換性、Officeアプリケーションの互換性、Leopard標準搭載のBootcampによるWindows OSの稼働といった対応を図ってきたが、最後に残っていたのがExchangeのサポート。これにより、Mail、アドレスブック、iCalを使い、会社のExchange環境が、そのまま家のMacで使えるようになる。Snow LeopardのSpotlightやQuick Lookプレビューを利用して、効率的な作業ができるというのも、Exchangeとの連携上で大きな特徴になる」とした。

マイクロソフトのWindows 7の発売を10月22日に控えるタイミングでの投入となったSnow Leopardだが、アップルでは、Windows 7に比べての優勢性を訴求する。

例えば、Windows 7には、数多くのエディションが存在するのに対して、Snow Leopardでは物理的にひとつのバージョンだけで対応していること、価格面でもWindows 7の最上位エディションで比較した場合に約7分の1の価格であること、そして、バックアップ機能やサムネイルの表示機能、Finderの表示などでもSnow Leopardの使い勝手の方が高いと強調する。「Macユーザーだけでなく、Macがちょっと気になっているユーザーにとって、Snow Leopardは真剣に検討していただいても損がないOSだといえる」とアップルでは語る。

今回のSnow Leopardの投入によって、Windowsユーザーの取り込みをさらに加速させる考えのようだ。

Tigerユーザー対象に、Snow Leopard、iLife '09、iWork '09を同梱の「Mac Box Set」、同ファミリーパックも展開

なお、Snow Leopardのシングルユーザライセンスは3,300円、1家族で5ユーザまでが利用できるSnow Leopardファミリーパックは5,600円、Tigerユーザーなどを対象に、Mac OS X Snow Leopard、iLife '09、iWork '09を同梱した「Mac Box Set」が18,800円、同ファミリーパックが24,800円。

さらに、今年6月8日から2009年12月26日までの間に、Macを購入したユーザーに対して提供するMac OS X Snow Leopard Up-to-Dateアップグレードパッケージを980円で用意する。また、Mac OS X Server Snow Leopardは、無制限クライアントライセンス付きで53,800円となっている。