31日間安定した精度を保ち続ける時計
A.ランゲ&ゾーネは世界で初めて動力制御機構を搭載した「ランゲ31」を展示。動力源であるゼンマイは1,850mmのものが、2つの香箱に1本ずつ収められている。同ゼンマイは竜頭では巻き上げられないほど高いエネルギーを蓄えるため、巻き上げは往年の懐中時計等と同じようにカギ巻き式となっているという。また、カギの内部には、カギの先端部分に一定以上の力が加わるとカギの上部が滑ってから回りする巻き止めが搭載されているとのこと。ケースはK18ピンクゴールド製で、径45.9mm。日付表示、パワーリザーブインジケーター、ストップセコンド機能を搭載しており、パワーリザーブは31日間。3気圧防水仕様となっている。価格は1,218万円。
また、同社ブースでは複雑なムーブメントの構造がわかりやすいように拡大した模型も展示されており、機械式時計の構造がどのようになっているかを知ることができる。
総額約20億円、総ダイヤモンド数約1,000万カラットのツリー
複雑な機構を特徴とする時計だけでなく、宝石が散りばめられ、際立った美しさを放つラグジュアリーな時計も数多く出品されていた。
ピアジェは同フェアのためにスイスから取り寄せたという、ジュエリーや時計をオーナメントとして飾った「ダイヤモンドツリー」を出展。飾られている総ダイヤモンドは約1,000カラットで、総額は約20億円にもなるという。中でも最も高価なのは、同社のコレクション「マジック・ガーデン・オブ・ピアジェ」のシークレットウォッチという、葉をモチーフとした時計。合計74.8カラットのダイヤモンドがちりばめられており、価格は4億635万円。
また、同フェアではラグジュアリーモバイルフォンのパイオニア「ヴァーチュ」が特別にブースを出展しており、異彩を放っていた。9月に発表となる、ソリッドゴールドを使用した携帯電話「シグネチャー」が、高級腕時計の多くが認証を受けている貴金属の品位認証機関「スイス・アッセイ・オフィス」より認証されたことから、今回フェアへ参加することとなったという。認証を受けた製品には認証極印(ホールマーク)が刻まれ、「シグネチャーは、電子機器としては初めてホールマークが付与された製品となります」(同社)。
フロントフェイスは、ダイヤモンドに次ぐ硬質性を持つというサファイヤクリスタルによって覆われている。同素材は、時計の風防等によく使われているもの。しかし、「当初、時計のサプライヤに製造を依頼したところ、時計に比べて面積が広く、製造が難しいことがわかりました」(同社)という。製造できるサプライヤを探したところ、「最終的に辿り着いたのは半導体のサプライヤでした」。
タイプはステンレススチール(138万円)、イエローゴールド(390万円)、ホワイトゴールド(435万円)、プラチナ(685万円)の4種類。販売は、東京・銀座の「ヴァーチュ銀座フラッグシップストア」と、9月1日に東京・日本橋三越本店にオープンするヴァーチュ店舗にて販売されるとのこと。
そのほかにも、多くのブランドが貴重な時計を数多く展示しており、同フェアにて先行販売や予約販売が行われているものもある。フェアは31日まで開催されているので、時計や機械に興味のある方や、目の保養をしたいという方は、この週末に足を運んでみてはいかがだろうか?