PharmacyDBは、フィードパスが提供するSaaS型データベース「サイボウズ デヂエ for SaaS」をベースに、ネグジット総研が持つ保険薬局向けのノウハウやコンサルティング実績を取り入れてシステム化したものだ。

薬局長にマネジメント意識を持たせるには、経営の判断基準となる全社的な共通指標と、自由に情報を発信・活用できる場が必要になってくる。そこでPharmacyDBでは、「店舗に経営意識を持たせる」および「情報共有」という2つの基本コンセプトで、保険薬局の新しい組織作りをサポートする仕組みを構築。ブラウザ経由で、店舗における業務結果の管理や店舗オペレーションのスピーディな改善を行うことができるよう作成された。

PharmacyDBの効果について「店舗間および本部とのコミュニケーションを活性化し、同時に薬局長が自発的に店舗経営を考えて実行できる風土を生み出します。最終的には『考える組織』へと、組織の体質自体が改善されるわけです」と語る山下氏。

数値だけでは見えない定性的な情報も確認可能

それでは、PharmacyDBが持つ具体的な機能を紹介しよう。まず、日次・月次・四半期-半期ごとの業務管理に役立つ機能としては、日々の業務実績を入力する「薬局長日報」、月初に立てた月次計画の達成度合いを実績値として把握する「月間数値予実管理シート」、目標値に対し期限や担当などを入れて長期行動計画の管理を行う「店舗方針展開&報告シート」を搭載している。

専門知識がなくても直感的に操作できる「PharmacyDB」のトップ画面

薬局長日報は特にこだわりがあり、売上や総受付回数などの数値はもちろん、必ずコメント欄への記入を求めているのだという。この理由について山下氏は「薬局長のマネジメント意識を高めるには、実務の中で考えるのが一番必要なことです。そこで、一日を振り返って良かったことや悪かったことを何でも構わないのでコメント欄に記入してもらうようアドバイスしています。コメントを書くために考える、こうした癖を日頃から付けておけば、業務の中で自然とマネジメント意識が芽生えるわけです」と語る。

また、企業経営者はコメントの量や質から、薬局長のモチベーション変化など数値だけでは見えない定性的な情報を得ることが可能だという。気になったコメントに対しては返信ができるため、本部からだけでなく、店長クラス同士でのコミュニケーションも取りやすくなる。入力した数値の集計やCSV出力なども可能だ。

「従来はメールやFAXなどを使って、各店舗と本部が1対1で日報のやり取りをしていました。しかしPharmacyDBであれば、(すべての店舗で同じ情報を閲覧できるので)1対多の円滑なコミュニケーションが実現できます。今までの傾向では、コメントの量が多い企業ほど、組織自体に改善効果がみられていますね」(山下氏)

ネグジット総研のノウハウに基づいた項目が並ぶ、薬局長日報の入力画面

薬局長日報で最大の特徴といえるのが、日々の業務で気付いた点を記入するコメント欄。「集計する」ボタンからは簡単に各種数値の集計も可能だ