"草食男子"がブームとなったかと思えば、"弁当男子"という言葉も登場。自分でつくったお弁当をオフィスや学校に持っていく男性のことで、「男子厨房に入るべからず」なんて言葉はどこへやら。そんな料理好き男子たちが堂々と通える料理教室がある。ABC Cooking Studioが展開する料理教室「ABC Cooking Studio+m」(以下、「+m」)である。弊誌男性スタッフ、S(既婚「時々料理します」)、O(独身「料理好きです! 」)が実際に参加し、彼らを通してこの教室の様子をお届けしていこう。

唯一、男性が参加できるスタジオが「ABC Cooking Studio+m」

「ABC Cooking Studio+m」(写真は東京・銀座の教室)

ABC cooking Studioは1985年に第1号となる教室を静岡にオープン。以来、料理ビギナーも気軽に参加できるプログラム内容で人気を集め、現在は北海道から九州まで全国展開をしている。今回紹介の「+m」が登場したのは2007年2月のこと。それまでは女性限定で、男性が参加できるクラスはなかったのだとか。「そうなんですよ~、僕以前、参加したくて電話したら、『男性だから』と断られたことあったんです」と告白するスタッフO。なるほど、やけに朝からテンションが高かったわけだ。3年越しの夢が叶ったのだね。

必要以上にやる気マンマンのスタッフS(写真左)と、「ABC Cooking Studio+m」への参加がうれしすぎて目が泳ぐスタッフO

現在、「+m」は東京・丸の内と銀座、愛知・名古屋の計3教室。定員は24名で、2人1組となって実習に取り掛かる。1レッスンは実習1時間30分、試食30分の合計2時間。「『+m』は、料理をする時間や空間を楽しんでもらおうというスタジオです。まずは、『料理って楽しいね』と感じていただけるようなプログラム内容を心がけています」(同社執行責任者・岩井紅都さん)。

ルーを使わずにつくるインドカレーに挑戦

「+m」は"男性も通える"というコンセプトで、男性限定ではない。女性同士やカップルでの参加も可能だ。また、最近話題の"料理婚活"の場として活用されることもあるそう。「男性同士の参加ってあるんですか? 」と恐る恐る質問するスタッフSに、「会社帰りに同僚と参加されることも良くありますよ」とのお言葉が。どうやらスタッフS、男性2人の参加が少々気になっていたようだが岩井さんの言葉でホッとした様子。

さて、今回の実習テーマは「10種のスパイスでインド料理に挑戦! 」。メニューは「バターチキンマサラ & タンドリーチキン / ターメリックライス」と「サブジ~夏野菜の蒸し煮~」の2品である。カレーはルーを使わず、クミンシードやガラムマサラなどのスパイスを加えて仕上げる本格派だ。「サブジ」はパプリカやナスといった夏野菜を使い、野菜の水分だけで蒸し上げるメニュー。ここにもカレー粉をプラスし、スパイシーな味付けをする。

取材時のメニューレシピ。なお、レシピは実習終了後に配布される

メニューがカレーと聞き、スタッフSもOもテンションMAX。スタッフOに至っては、「インドカレーはちっとばかしハードルが高いイメージがあって未開拓だったんですよ~。レシピ調べてつくろうかなと思うことはあったけど、なんか訳の分からんスパイスが色々あって『んん、無理!!』と泣く泣く断念してました」と目をキラキラ輝かせている。あまりにピュアな眼差しなものだから、「よかったねぇ」とお母さんのような心境になってしまった。

講師の調理デモと生徒の実習は同時進行

そうこうしているうちに、壇上に講師の方が登場。いよいよ実習スタートである。料理教室には講師がデモンストレーションをし、その後、生徒が実習に取り掛かるというケースも多い。しかし「+m」は講師の調理シーンを教室内のモニターで確認しながら、同時進行で生徒も実習を行う。理想の状態を目で確認しながら調理ができるので、失敗が少ない。

「+m」の様子。教室内のテレビモニターで講師の調理シーンが確認できる

慣れた手つきで食材を切っていくスタッフS。「家では豚の角煮とかつくっちゃうからね~」という彼を見て、美女と結婚した理由がちょっぴりわかった気もした。そんなSの隣では、スタッフOが背筋をピンと伸ばし、かなり堂に入った様子でフライパンを振っている。普段はやさしいOだが、その凛としたたたずまいに少々驚いてしまった。

新婚カップルのように楽しそうな2人

フライパンで野菜に火を通していくスタッフO。その間にせっせと片づけをするスタッフS