川村ゆきえ主演のホラーコメディ映画『吸血少女対少女フランケン』(8月15日公開)で、女子高生吸血鬼・有角もなみのライバル富良野けい子を熱演した乙黒えり。グラビアや映画で活躍し、語学とカンフーを特技とし、「イオンのお姉さん」としても知られる乙黒えりの素顔の迫る。

乙黒えり
1982年10月12日生まれ。タイ出身。血液型0型。2001年、テレビ朝日のオーディション番組で4000人の中から選ばれ、香港映画『ザ・スチュワーデス』(2001年)でデビュー。そのほかの映画出演作品に『少林少女』(2008年)、『お姉チャンバラ THE MOVIE』(2008年 主演)、『シャッター』(2008年)、『吸血少女対少女フランケン』(2009年)などがある。最新出演作は『笑う警官』(2009年11月公開予定)。『イオン お客さま感謝デー』のCMで、お茶の間に強い印象を残す。青山学院大学卒業。特技は語学とカンフー

――少女フランケンとなってしまう富良野けい子役のお話が来たときは、正直どう思いましたか?

乙黒えり(以下、乙黒)「できるかなぁと思いました(笑)」

――乙黒さんにはカンフーの下地があり、アクション慣れしている印象があるのですが、今回のアクション撮影はどうでしたか?

乙黒「まだ慣れてはないんですけど、『お姉チャンバラ』でだいぶ鍛えられました。今回は、前作に比べたらそんなに大変ではなかったですね」

――カンフーはいつ頃から習っていたんですか?

乙黒「18歳のときからジークンドーを2年くらいやっていて、その後戦隊シリーズの役者さんたちと一緒にアクションを習っていたんです」

――かなり血みどろで残酷なキャラクターを演じられたわけですが、実際に演じてみてどうでしたか?

乙黒「今まではこういう引き出しがなかったので、本当に新しいチャレンジでした。参考にさせていただいたのが、『ダークナイト』のヒース・レジャーさんです。あのジョーカーの楽しんでいる邪悪さには、今回の富良野けい子と共通しているものがあると思ったので、ああいうイメージで演じました」

――ライバルの川村さんは吸血鬼役で、エキセントリックな部分がありつつも、吸血鬼の長い歴史を踏まえている部分がありわかるのですが、富良野けい子の方は、なんでこの子は改造される前からこうなんだろうという印象があります。ファッションもブッ飛んでいますし。

乙黒「そうですね。けい子は教頭の娘で、わがままで自分の思い通りにならないことは全部イヤだというお嬢様で、それは分かり易いと思うんです。ファッションも、凄くかわいいファッションだったので、有り得るかなと思ったんです(笑)。あそこまではいかないですが、ああいう感じのファッションに工夫してる女子高生とかいるんじゃないかな?!」

――後半、父親に改造されて、再生させられた後の演技も、凄かったですね。

乙黒「あれはもう死ぬ前の執念ですね。それと、単純にもう男がどうのこうのというのは関係なく、女同士の『負けたくない』っていう執念のみですね。女の喧嘩の方がしつこいとかいうじゃないですか(笑)」

凄い特殊メイクと衣装でアクションに挑んだ

死体を繋ぎ合わせた少女フランケンを演じた乙黒えり。衣装とメイクが凄いです

――このアクションは大変だったとか、これはつらかったとかありますか

乙黒「まず、衣装が着物だったので、基本凄く動きづらいんです。靴もすごく重いし。特殊メイクもしてるから、あんまり派手に転んだり、ぶつかったりすると、全部とれちゃうんです。だから、動きも限られていて、こけたりもしました。あと片腕が取れたりするシーンでは、実際の手を後ろに縛って、片手だけでアクションしなければならなくて、バランスをとるのが凄く大変でした。なかなか普段しないことなんで」

――普段、絶対しませんって! 完全に金属と融合している描写とかも凄いですよね。

乙黒「そうですね、あれは顔の演技だけですね。CG画面でこういう風になるという簡単な映像は観ていたのですが、実際に完成した映像を観ると凄いと自分でも思いました。全て振り切ってる感じですよね(笑)」

――とにかく、作品もキャラも振り切ってるんですけど、この役を演じちゃうことに躊躇とか抵抗はなかったのですか?

乙黒「『どうしよう』とは思いました(笑)。『できるかな?』と思いましたけど、中途半端にやったら余計恥ずかしいので、もう行くとこまで行き切ってやっちゃおうと(笑)」

――あんな場所で、あんな死に方! ありえない! という感じですもんね

乙黒「光栄ですよ。日本一の死に方です(笑)」

――衣装もあれですからね!

乙黒「衣装は本当にセクシーだし、かわいいし。女の子受けもいいと思うんですよ。今回、ファッションも全部綺麗なんで」

――特撮モノに出演すると、普段着ないような衣装が多いと思うのですが、そこはあまり抵抗なく着こなせる感じですか?

乙黒「そうですね。むしろ普通の服とかのほうが少ないです。ちょっとほかの女優さんとは違うかもしれないですけど(笑)」

――CM作品で観ている乙黒さんのイメージで、この映画を観た人は倒れちゃいそうですよね。

乙黒「そりゃそうですよね(笑)」

――この作品を、これから観る方にどういう風に楽しんでもらいたいですか

乙黒「ひとつ私が心配なのは、血が苦手だから観ないっていう人は本当にもったいないと思うんです。苦手な方はあの血は全部ただの水だと思って観てもらえたらいいなと思います。そういう理由で『観たくない』と言われちゃうと、とても面白い映画なのにもったいないと思うので。あとコメディ要素もあるので、ホラーが苦手な方でも観れると思います。スプラッターが苦手な方でもこれから入っていけると思うので。実際、私がそうなんですけどね(笑)。全然大丈夫だったんで。すっごく楽しくてずっと笑ってました」

――ご自身の富良野けい子という役に関しては、どんなところを見て欲しいですか

乙黒「好きなシーンは教室でパパを叫んで呼ぶシーンですね。本当に凄く叫んで撮っていたので。後はフランケンになってからの全てのシーンですね(笑)。笑い声とか。凄いあの笑い声がくせになっちゃって、たまに日常生活でも出ちゃうんです」

――本当に笑い声まで振り切ってますよね。

乙黒「観ててどう思われたか、逆に皆さんの意見が聞きたいです」

吸血少女対少女フランケン

高校生の水島樹権(斉藤工)に急接近する美しい転向生・有角もなみ(川村ゆきえ)。そして、もなみに嫉妬し激しい憎悪を抱く富良野けい子(乙黒えり)。けい子が校舎の屋上から転落死したのをきっかけに、学園は血みどろの地獄と化していく

(C) 2009 PONYCANYON/Concept Films

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