PCを利用する時間が長くなればなるほど、まさかのトラブルは避けられないものだ。とりわけ、削除や初期化によるデータの消失は、誰もが一度は経験したことのあるトラブルではないだろうか。消失したデータがどうしても必要な場合は、専門のサービス業者に復旧を依頼するのも一つの手だが、費用的な面で二の足を踏んでしまうことも多い。

かと言って、データの復旧を諦めるわけにもいかない。そのような時に一度試してほしいのがデータの復旧を行うソフトだ。アイギークが先月28日に販売を開始した「Data Rescue PC」は、Windows向けのデータ復元ソフトである。同社Webサイト上では体験版も公開している。

同製品の特長は、ディスクに一切の変更を加えずに消失したデータを探し出すという点。ディスク自体に変化を加えてデータを「修復」するのではなく、データを「復旧」することを目的にしている。そのため同社は、他の復元ソフトを使ってディスクそのものに変化を加えてしまう前に、まず第一に「Data Rescue PC」を使ってほしいと説明している。

「Data Rescue PC」で復旧の対象となるのは、内蔵/外付けHDDのほか、USBメモリやSDカードなどのPCに接続されているすべてのディスクである。Data Rescue PCでは、「クイックスキャン」と「ディープスキャン」という2種類のスキャン方法を用いることで復旧率を高めている(図1)。

図1 「Data Rescue PC」では2つのスキャン方法が利用可能。消失したデータを検出 し、復旧する

「クイックスキャン」はディレクトリ構造をスキャンして再構築し、 OSがブートしなくなった場合などに、素早く現状のファイルを救出できる。また、「ディープスキャン」はセクターをスキャンして、ファイルとディレクトリを検出、それに加えてdocファイルやPDF、画像など約100種類のファイルタイプに対してデータのパターンを分析し、ファイルを探し出す。

このため「NTFS → FAT」のような異なるファイルシステムにフォーマットされたディスクからのデータ検出にも対応している。そのほかにも、復旧作業の前に不安定なディスクから他のディスクへと完全なコピーを実施する「クローンディスク作成機能」も利用可能。また、Windowsが起動しない場合には、CDからブートすることによりWindowsを起動せずにデータの復旧を行える(図2)。

図2 Windowsが起動しない場合は、CDからブートしてデータの復旧やクローンディスクの作成が行える

アイギークが販売している「Data Rescue II」はMac用のデータ復元ソフトとしては定番ソフトの一つ。「Data Rescue PC」は、その「Data Rescue」シリーズ初のWindows版となる。Windows向けソフトをリリースする理由として、同社はWindowsを併用しているMacユーザーから多くの要望があったことを挙げ、「トラブルを抱えたユーザーに対するソリューションの充実を図りたい」としている。製品ラインナップと販売価格は以下の通りである。

Data Rescue PCのラインナップ

製品 価格
個人ユーザー向け
「Data Rescue PC ダウンロード版」 8,925円
「Data Rescue PC 簡易包装版」 11,025円
法人向け
「Data Rescue PC IT ライセンス版」 29,400円
「Data Rescue Mac/PC コンボライセンス版」 40,950円

また、システム用件は以下の通り。

システム要件

対応OS Windows XP / Vista(インストールする場合。ブートCDからの起動では、MS-DOS / 3.x / 95 / 98 / ME / NT / 2000 / 2003にも対応)
CPU 300MHz以上のプロセッサ
メモリ 64MB以上のRAM
ファイルシステム Windowsの全てのファイルシステム
備考 復旧データを保存するための別のハードドライブが必要