と、言うわけで気を取り直して別のビアホールに行くことになりました。みんな、インターネットの記事の情報は古い場合もあるから気を付けようね。
気を取り直して、ここからは"デパ屋"ならぬ"屋ビア"探訪です。
エレベーターに乗って屋上に上ると、このような光景が広がっておりました。
ビアホールと言えば、やっぱりこういう光景ですよね!
取材日は週末とあってか超満員のお客でごった返しておりました。客も、仕事仲間らしき集まりを中心に、カップルや外国人観光客、果てはコンパっぽい人々など、様々な用途で使われているようです。しかも、どの人も皆幸せそうでした。アルコールと美味い料理という黄金律と、適度な屋上の開放感が相まって、至福な時間が過ごせるのでしょう。こんなことなら、仕事仲間もみんな連れてくればよかった!
皆に愛されているビアホールですが、その歴史は意外に古く、1897年、大阪に「アサヒ軒」というビアホールが登場したのがビアホールの礎らしいです。その2年後の1899年には東京にも「恵比寿ビヤホール」がオープンした模様。何と、19世紀にはすでに関東でも関西でもビアホールがあったようですね。
なお、今回お邪魔しているニュートーキョーは1937年にオープンし、その後本店ビル立て替えを挟みつつも、常に日比谷~有楽町~銀座界隈のサラリーマンやOLに愛され続けたお店。山手線などの鉄道路線と、高速道路によって西側(有楽町側)と東側(銀座側)に分断されがちな場所のちょうど中間にあることによって、都心の人の流れを活気づけているという点も素晴らしいです。
「そもそもビアホールというのは……。東京の人の流れとは……」などと講釈をたれていると、どんどんお酒や料理が運ばれてきました。
さらに追い打ちをかけるように、最強のおつまみも登場しました。
ビアホールと言えば、良くも悪くも"あまり凝っていないメニュー"を想像しておりましたが、からあげも枝豆も想像以上においしいです。さらに料理陣の極めつけは…
飲み放題(ビール、サワー類、ワインなど)+豊富なサラダバー+上記のジンギスカンやおつまみが一体となって、お一人様4,200円。これは良いですねー。明朗会計! 酔っぱらって財布への意識が薄くなっても、使い込みすぎることはありません! 素晴らしい制度だと思います。
僕と編集のN氏によるデパ屋チームは、次なるデパ屋取材地を吟味したり、あらゆる無駄話をしながら夜は更けていきました。閉店の22時30分に近づいたその時です。
さっきまで僕らと一緒に楽しそうにお酒を飲んでいた人々が、次々に帰って行くではないですか。素敵な時間はあっという間、シンデレラにでもなった気分だ。
しかし考えてみれば、ニュートーキョーはサラリーマンのオアシス。健全なサラリーマンは、明日のために深酒をしないのだ。朝方までくだを巻いたり、なんやかんやで深夜2時にタクシー…などという帰宅方法はないのである。こんな健康的で健全な飲み屋こそビアガーデンのさらなる魅力だと思うので、お宅のご主人がビアガーデンで飲んでいてもあまり目くじらを立てないでいただきたい。
デパートの屋上にしても、屋上のビアガーデンにしても、共通しているのは開放感だ。大人になった今、都会を窮屈に感じている人にこそ、ぜひ都市の解放区、屋上に通い詰めたい。
ニュートーキョー ビアガーデン
東京都千代田区有楽町2-2-3
ニュートーキョー数寄屋橋本店屋上
03-3572-0755
営業時間
平日・土曜 17:00~22:30
日曜・祝日 16:00~22:30
『デパートの屋上、略して「デパ屋」探訪』バックナンバー
その1……日本橋三越本店・東京日本橋
その2……松坂屋上野店・東京御徒町
その3……西武百貨店池袋本店・東京池袋
その4……高島屋日本橋店・東京日本橋
その5……さいか屋川崎店・川崎
その6……玉川高島屋S・C
その7……町田デパート地帯を行く(特別編)
その8……渋谷・東急百貨店本店