翌朝は7時前から朝食配布開始。同会場には体育館・テントを合わせて約1,200人が集まっているので、配布の列も長蛇になる。弁当を受け取ると、「皆既日食弁当」と書いてあり、頬が少し緩んだ。食事が終わるともう8時前後。公園一帯の第1接触(日食が始まること)は9時35分頃だから、もうあと1時間半だ。
今回のツアーで宿泊&観測会場となった「太陽が丘総合運動公園」。敷地内の4エリアがテントサイトに割り当てられ、かつ体育館も宿泊に利用された。筆者は今回、体育館に宿泊。簡易ベッドはやや硬かったものの、冷房が案外利いていて、懸念された蒸し暑さがなかったのは救いだった |
この時点で、上空は晴れていた。観測場所としては徒歩20分ほどの漁港のほか、公園内の陸上競技場グラウンドも開放されることになった。体育館の目の前なので荷物を運びやすい利便性に加え、ツアー参加者のみが入れる場所だから混雑しないという事情も考慮して、僕はグラウンドを観測場所に選択した。
グラウンドに出たのは、8時を回った頃。すでに大きな機材をセッティングし終えた気合十分の人たちや、家族連れ、カップルたちが、芝生の上に陣取っていた。僕もその一角にレジャーシートを広げ、三脚を立て、トキナーの「AT-X 840D」(80~400mm F4.5~5.6)を装着したキヤノン「EOS Kiss X3」を取り付け、さらにレンズ先端にケンコーの日食撮影用フィルター「PRO ND10000」をはめ込んで、頭上の太陽を試し撮り。本番に備えて最終調整を行った。