ThinkPadの開発拠点である大和事業所での実証テストも紹介された。その大和事業所はUQ WiMAXのサービスエリアの隣接圏外にある。同社では、この圏外である大和研究所の5階の窓際にて、ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルとWiMAX対応USBアダプタを用意し、WiMAX接続の実証テストを行ったとしてデータを公開した。この実証テストによると、ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルは、窓際および窓際から2mほど離れた場所においてWiMAX接続でき、YouTubeの視聴が問題なく行えたとしている。一方、USBアダプタは、窓際では接続できたもののYouTubeの視聴中に途中切断、そして窓際から2m離れた場所では圏外として接続できなかったとしている。

本来サービスエリア圏外である大和事業所にて内蔵アンテナとUSBアダプタとを比較検証

USBアダプタでは接続が安定しない、あるいは接続できないような場所でも、ThinkPad T400sの内蔵アンテナでは接続でき、YouTubeの視聴も問題無く行えたという

そして、ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルには、メイン/AUXのWiMAXアンテナに加え、Wi-Fi、WWAN(3G)、UWB、Bluetoothなど計7つのアンテナ(一部機能は国内販売モデルでは未搭載)が搭載されているが、これらのワイヤレスネットワークデバイスをコントロールするソフトウェア「Access Connections」が紹介された。Access Connectionsは元々ThinkPadシリーズのワイヤレスデバイス切り替えソフトウェアとして導入されているが、バージョン5.3からWiMAXのサポートを追加している。WiMAX対応製品では、検索ボタンを押すことでWiMAX基地局を検出し、これをダブルクリックすることで接続が完了する。同社によれば約15秒ほどでこれらの操作が完了するとしている。WiMAXサービスの未契約時であれば、Access Connections上のリンクをクリックすることで、オンラインユーザー登録のためにブラウザを起動する旨の確認メッセージも表示されるとのことだ。

Access ConnectionsでのWiMAX接続の流れ

これらに加えレノボでは、特に企業向けにはアダプタの紛失・盗難といった管理が不要である点、そして引っかけ等の機械的ダメージが無い点などをThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルの強みとして挙げている。

ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルに搭載されているWiMAXモジュール。Intel WiMAX/WiFi Link 5150 ハーフミニカード

Intel WiMAX/WiFi Link 5150には通常サイズのカードも用意されている