レノボ・ジャパンは、同社大和事業所エンジニアによる「WiMAX テクノロジー・ブリーフィング」を開催した。7月22日に発売されたThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルに導入された技術を解説する内容。同内蔵WiMAXアンテナはUSBアダプタより高性能というデータも示された。
ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルは、同社のThinkPadシリーズとしてはじめてWiMAXを搭載した製品となる。今回紹介された技術は、アンテナ性能を高めるための構造、そしてWiMAX、Wi-Fiなど複数のワイヤレスネットワークデバイスをコントロールするソフトウェア「Access Connections」の2つ。
アンテナデザインでは、トップカバーに採用されているハイブリッドCFRPが高いパフォーマンスを実現するとして紹介された。ハイブリッドCFRPのハイブリッドとは、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)とGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)から構成されていることに由来するとのこと。なぜ2つの異なる素材を利用しているかについて、CFRPは強く、薄く、軽いLCDカバーを可能とするが、炭素繊維を用いるため導電性があるため、これを非導電性のGFRPを用いることで解決していると説明している。GFRPはアンテナ周辺部に採用されている。
つぎに、これらアンテナデザインの効果、そしてWiMAX通信モジュールを内蔵することのメリットが紹介された。まずはThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルに採用されたアンテナのゲインパターンを示した。ThinkPad T400s WiMAX通信モジュール内蔵モデルでは、左にWiMAX AUXアンテナ、右にメインアンテナを搭載している。2つのアンテナをミックスすることにより、液晶パネル面を中心に大きな球形ができ、USB外付けアダプタと比べ約3.5dBほど高いゲインが得られたと結果を紹介している。