撮影機能を見てみよう。撮影モードは、フルオートモードに相当するグリーンモードのほか、プログラムAE、感度優先AE、シャッター優先AE、絞り優先AE、シャッター速度&絞り優先AE、マニュアル、バルブ、ストロボ同調速度モード、動画の10モードと、好きな設定の組み合わせを登録できるUSERモードの計11モードが用意される。入門者向けのシーンモードはない。

このうち、感度優先AEとシャッター速度&絞り優先AEの2モードは、従来機から継承した同社ならではの撮影モードだ。感度優先AEでは、ダイヤル操作でISO感度を設定すると、シャッター速度と絞りが自動で決まる。シャッター速度&絞り優先AEはその逆で、シャッター速度と絞りを設定すると、ISO感度が自動で決まる。

これらの全モードを細かく使いこなすというよりは、自分の撮影スタイルにとって最も便利な撮影モードを見つけ、それを基本にして、他のモードを適時使い分けるといいだろう。カスタム設定メニューから、各モードでの電子ダイヤルの働きをユーザー設定することも可能だ。

モードダイヤルでは11種類の撮影モードを選択可能。動画を選んだ場合は、ライブビュー表示を見ながら、最大1536×1024ピクセル/30fpsのAVIムービーを最長25分記録できる。動画撮影中のAF駆動は不可。手ぶれ補正は使用できる

グリップの前後に2つの電子ダイヤルを、上部には露出補正とISO感度の専用ボタンをそれぞれ装備する。撮影モードによっては、電子ダイヤルのダイレクト操作で、露出補正や感度調整を行うこともできる

また、「ハイパープログラム」と「ハイパーマニュアル」という2つの操作系も同社中級機ではおなじみのものだ。ハイパープログラムとは、プログラムAEモード選択時に、グリップ部の前後にある2つのダイヤルを回すことで、瞬時にシャッター優先AEや絞り優先AEモードに切り替える機能のこと。ハイパーマニュアルとは、マニュアルモード選択時に、グリーンボタンのワンタッチで標準露出に設定できる機能だ。さらに、AEロックボタンを押しながらダイヤルを回せば、露出を保持したままシャッター速度と絞り値の組み合わせを変更できる。言葉で説明するとややこしく感じるが、いったん覚えてしまえばシャッター速度や絞りを自由自在にコントロールできるようになる。

カスタムメニューは全部で37項目あり、ダイヤルやボタンの働き、拡張感度、ノイズリダクション、AF補助光、キャッチインフォーカス、レンズごとのAF微調整などさまざまな詳細機能を設定できる

背面の「LV」ボタンを押すと、撮影モードを問わず、液晶にライブビューが表示する。ライブビュー時のAFは、顔検出+コントラスト式/コントラスト式/位相差の3方式を選択可能。液晶の視認性は良好で、ライブビューの実用性は高い

背面の十字キーには、ドライブモード、ホワイトバランス、ストロボモード、および画質傾向を切り替える「カスタムイメージ」の4機能が割り当てられ、それぞれの設定画面をダイレクトに呼び出せる。また十字キーの中央にあるOKボタンを押すとAF測距点の選択画面となり、十字キーの操作で11の測距点を切り替えられる。

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光学ファインダーでの撮影時は、液晶モニターに各種の撮影情報が表示される。液晶は3型の大画面でドット数は約92.1万ドット。メニューの文字や再生画像をくっきりと見られる。液晶の明るさや発色を調整することも可能

シャッター速度と絞り値、感度、露出補正、ホワイトバランス、ドライブモードなどの主要な撮影情報を一覧できる「ステータススクリーン」の画面

INFOボタンを押すと「コントロールパネル」表示に切り替わる。この画面では、感度オートの調整範囲や、プログラムラインの特性、ハイライト補正、シャドー補正、ディストーション補正、倍率色収差補正、拡張ブラケットなどを設定できる