制限時間は60分で、時間内に謎を解けなかった場合は「脱出失敗」となる。前回よりも謎は難しくなっており、今回は約半数のグループが脱出に失敗しているという(もちろん、実際には永遠に閉じこめられてしまうわけではなく、帰してもらえる)。参加者は既にネットで脱出ゲームを遊んだことのある人がほとんどのようで、スタートの合図があるとすぐに部屋のあちこちを調べ始め、隠されたアイテムを見つけていった。
「折り紙でクワガタを作れ」といった具体的な指示を伴って置かれているアイテムもあるが、多くは「○○に花が咲く」といった抽象的なメッセージや、あるいは何の説明もない状態で発見される。すぐに使い道のわからないアイテムは、後に出てくる別のアイテムと組み合わせて使うかもしれないので、その意味を考えるのはひとまずやめて、別の未解決要素が無いか検討してみるといった思考も必要だ。また、「○+△+□+5=カギ」といった虫食い算でヒントが発見されることもある。
部屋の中にはたくさんのアイテムやヒントが隠されているので、参加者が全員同じような行動をとっていては、60分の制限時間内にすべての謎を解くことはできない。ある人はアイテムを探し、ある人は折り紙を折り、ある人は虫食い算を解くといったような役割分担が必要となり、さらに各自がそれらの作業結果を持ち寄り、ゲームの進行につながるような新たな発見がないか検討していかなければならない。
多くの参加者は2~3人の小グループや1人で遊びに来ていたので、教室の中にいる20人はほとんどがお互いに見知らぬ人同士。しかしゲームが始まると、工作の得意な人はノリやハサミを使う作業に就き、パズルが好きな人は計算問題に取り組むといったように、それぞれの参加者が自分の役割を見つけて自然に協力しあっていたのが面白い。また、みんなでワイワイやるのが苦手な性格の人にも、机の裏や物陰などに未発見要素がないか隅々まで調べるという役割がある(実際筆者がこのタイプなのだが、重要アイテムである隠された積み木を発見して脱出に貢献することができた)。