Microsoft製品で実現する次世代UX

続いて、再びガスリー氏がステージに戻り、過去のMicrosoft製品を例に、歴史的にUXがどのように向上してきたことを説明した。Microsoftの歴史は、ディスプレイもキーボードも無いAltair 8800から始まる。スイッチのオンとオフだけで命令を入力し、結果はLEDで表示される。Microsoft創始者のビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏がAltair 8800のBASICを開発したところから、歴史は動き出す。その後、コマンドベースのDOS、グラフィカルなWindowsへとUXが進化してきた。

そして次世代UXの例としてMicrosoft Surface、タッチ、ジェスチャー(E3で発表されたXbox 360用の入力装置)などが紹介された。

卓上型のデバイスMicrosoft Suface。会場でも展示されていた

Windows 7の新機能であるタッチ入力

Project Natal公式ページより。あなたがコントローラになる

ガスリー氏は、UXを実現するには美的感覚とアプリケーションの機能性を組み合わせる必要があり複雑であると語る。デザイナや開発者など、多くの人たちが共同で設計に関わらなければならないが、従来の開発モデルのままでは適用が難しい。これをMicrosoftのプロダクト「Expression Studio」「Visual Studio」「Silverlight」によって解決できると力説する。

Silverlightは.NET FrameworkをベースにしておりVisual Studioで開発できる。現在、世界で600万以上の開発者が.NET Frameworkアプリケーション開発に関わっている。Siverlightならば、多くの開発者が持つ知識や経験を再利用できるため、学習のためのコストを軽減できるというわけだ。

デザイナと開発者の協力・統合はExpression Studioで実現する。これまで、デザイナは自分がイメージするデザインを実現するためには、開発者にイメージを伝えなければならなかった。しかし、技術力の問題や開発者が正しくデザイナの意図を理解できないなど、必ずしもイメージ通りのデザインが実現されるわけではなかった。Expression Studioに含まれるExpression Blendを使えば、デザイナ自身がアプリケーションをデザインし、データをそのまま開発で引き継げる。

同氏は、すでにSilverlightは、ネットに接続している世界中のデバイスの1/3にインストールされている。もしインストールされていなくても、Silverlightのコンテンツにアクセスすればブラウザからすぐにインストールできると語る。今もSilverlightは300社以上のパートナー、400,000 以上の開発者&デザイナ、1,000以上の対応サイトの実績があるという。