さて、このビジネスクラス、従来のツアーバスと異なる点がもうひとつある。それは乗車場所だ。同社はホテルと連携することによって、出発地・到着地を東京・大阪の大手ホテルに定めている(一部)。同社は「バスの移動手段としての、ドア・ツー・ドアの利便性を向上し、ホテルから快適で優越感を感じる出発ができる」ということで、品川プリンスホテル(品川駅)や、ホテルニューオータニ大阪(大阪ビジネスパーク駅)などを乗車場所としている。
運行ダイヤは、ウィラー・トラベルの予約サイトによると、下り便が「品川駅22:20発、WS新宿23:00発、京橋06:30着、大阪梅田07:00着、天満橋駅07:10着、天王寺駅07:45着、天王寺07:50着」、上り便が「天王寺22:00発、天満橋22:20発、京橋22:40発、大阪梅田23:10発 品川駅06:40着、新宿西口07:10着、池袋東口07:40着」。夜行バスだが、早朝5時に着く…というものではなく、仕事開始時間を考慮した時間帯に到着するようになっている。
料金は「ビジネスクラスComfort」(1列側席)の「ビジネス通常プラン」が9,800円 - 1万800円。「ビジネスクラス」(2列側席)の「ビジネス通常プラン」が8,800円 - 9,800円だ。ちなみに新幹線「のぞみ」の東京 - 新大阪間の通常料金は1万4,050円等。航空ではJALのビジネスきっぷ(JALカード限定)の普通席で東京・羽田 - 大阪・伊丹間が1万5,100円等。さらに、競合相手となりそうなJRバスの夜行高速バス「プレミアムドリーム号」のプレミアムシート(4席)は、東京 - 大阪間で9,910円だ。
同社によれば、ウィラー・バスを利用するユーザーの約40%が「社会人」、そのなかでもビジネス出張目的の利用は約8%にとどまっているという。そして出張でバスを理由として「疲れる」「時間がかかる」「眠れない」「時間が不正確」などがあげられているとも。さらには未曾有の不況のなか、企業は出張回数や出張人員を削減し、できるだけ旅費を抑える傾向もあるといわれている。このビジネスクラスバス2台の導入を機に同社は、「都市間高速バスのビジネス需要を喚起したい」と意気込む。