足を伸ばし鎌倉の大仏へ
汗も引いたので休憩所をあとにし、帰りの階段を下りる。すると、斜面に掘られた穴を見つけた。「弁天堂(弁天窟)」といい、八臂の弁財天が祭られているらしい。窟内壁面には弁財天などが掘られている。中は真っ暗で、ろうそくの明かりだけが壁面の彫刻を照らしている。モノは試しと、動画撮影をしながら中に入ってみた。多少は画面が荒れるものの、暗い中でもちゃんと写っている。実際、肉眼でもかなり暗い状況だったので、これだけ写れば十分だろう。夕景や暗い部屋程度ならほぼ問題ないだろう。
長谷寺に来たのだから、ちょっと足を伸ばして大仏がある高徳院へ。写真なり実物なり、誰もが一度は目にしただろう鎌倉の大仏(阿弥陀如来)。絵はがきチックなありきたりの絵柄を撮ろうとしたら、なかなかうまくいかない。いくら曇っているからといっても空が明るく、大仏を撮ろうとすると逆光になってしまう。ここで気になってメニューを見直してみると、「自動逆光補正機能」をオフにしていたのに気が付いた。これをオンにすると簡単に逆光補正された。自分であれこれ操作するよりも、TG5Vにまかせた方が簡単でキレイに撮れるようだ。
鎌倉の大仏に別れを告げ、由比ヶ浜海岸を目指す。鎌倉には高い建物がないためか、海に近づけば近づくほど、潮の香りがやんわりと街全体を包み込むように広がっていく。浜辺に着くと、ちょうどいいタイミングでわずかな雲の切れ間から日が差してきた。強い日差しでも、白飛びや黒つぶれが少ない仕上がりになるのは、TG5Vの画作りのうまさを感じる部分だ。潮風を浴びながら波打ち際を撮影してみる。ハイビジョンムービーはしぶき1つ1つを克明に描写する。寄せては返す波を見ながら、再生メニューで今日撮影したムービーや静止画を再生してみるが、これだけ明るい日中の屋外でも、液晶モニターはキレイに表示しているのはすごい。今日の道程を一通り見終わり、鎌倉駅を目指し帰路についた。
TG5Vは、旅から帰ったあとも楽しみが満載だ。動画や静止画を整理するだけではなく、前述したようにPMB(Picture Motion Browser)を使って地図上に並べて見られるからだ。どこで撮影したものか、地図に配置されるのでその行程を視覚的にとらえることができるのはなんだか楽しいもの。地図に並べるだけではなく、撮影日付でカレンダー表示もできるので、長期の旅行も楽しくなるに違いない。もちろん、動画や静止画からDVDも制作できる。DVDはハイビジョン画質でも、スタンダード画質でも制作可能。視聴環境に合ったDVDを作れるのもまた魅力だ。
画質や機能だけでなく、サイズや重さ、そして軽快さを総合的に見ると、TG5Vのパフォーマンスは非常に高い。気軽に撮影できるという点では非常に優れているといえる。ポケットに入るハイビジョンムービー「ハンディカム HDR-TG5V」は、旅行に最適というよりも、持っていると「旅行に行きたくなる」カメラなのかもしれない。
●サンプル映像(ご使用の環境によっては再生できない場合があります。bzip2で圧縮しています。ダウンロードした後、展開して再生してください。)
019.m2ts.bz2(18MB)
長谷寺の「アジサイの径(こみち)」。斜面いっぱいに広がるアジサイは圧巻。[動画:HD(ハイビジョン)FH]
020.mpg.bz2(23MB) 真っ暗な「弁天堂(弁天窟)」へ足を踏み入れてみる。中のシーンでは画像がザラつくが、肉眼でも一瞬何も見えないくらい暗い場所なので、かなり明るく撮れている。[動画:SD(標準画質)HQ]
021.mpg.bz2(16MB) 大仏さまを撮影したら、しっかり顔認識をしていた。そのため空が明るくても、顔が真っ暗にならなかったのかもしれない。[動画:SD(標準画質)HQ]
「自動逆光補正機能」がオフの状態。顔が真っ暗になってしまった。[静止画:400万画素相当 4:3] |
「自動逆光補正機能」オンで撮影。バランスよく露出補正が行われている。[静止画:400万画素相当 4:3] |