旅にムービーやカメラを持っていくなら、できるだけコンパクトで軽いほうがいい。そこで小型軽量が魅力のソニー ハンディカム「HDR-TG5V」を手に、アジサイが満開の鎌倉を散策してみることにした。

HDR-TG5Vのサイズは30(W)×117(H)×62(D)mmとコンパクト。撮影時総質量も約280gとたいへん軽量。16GBのメモリーを内蔵し、ハイビジョンムービーなら最高画質で約1時間50分、最長で約6時間10分が記録できる

「あ、雨が上がった」

梅雨らしく降り続いていた雨がやみ、晴れ間こそ見えないものの撮影に出かけることのできる朝だった。この季節、一番の見ごろを迎えるアジサイを撮りに、HDR-TG5V(以下、TG5V)を持って鎌倉へ出かけることにした。鎌倉は都心からのアクセスも容易で、電車を数本乗り継げばあっという間に着いてしまう。さながら小旅行といった気分で、日帰りで観光できるおすすめスポットだ。神社仏閣などの史跡もあれば、きれいな海岸、見晴らしのいい高台もある。片手にTG5Vという軽装で、ちょっと足を伸ばした散歩のように鎌倉を楽しんでみた。

出かける装備は本当に身軽だ。それはTG5Vがコンパクトで軽量だから。TG5Vのボディは、厚さわずか約30mm。ジーンズのポケットにスッポリと収まってしまうほどコンパクトで、重さはバッテリーを装着した状態でも約280gしかない。この軽さは、TG5Vのライバル機と比べても圧倒的に軽い。"気軽に持ち歩く"という点においては、大きなアドバンテージがある。

TG5Vの特徴ともいえる「縦型スタイル」は、"構える"のではなく"持つ"といったイメージに近い。ビデオカメラとも違うし、デジカメとも違う。どちらかというと携帯電話で撮影しているような印象だ。だからこそ、より身軽に感じるのかもしれない。それに加えて、素早い起動もポイント。液晶パネルを開くだけで起動し、1秒もたたないうちに撮影できる状態になる。常に起動していなくても、ふと思い出に残したい被写体に出会った瞬間、シャッターチャンスを見つけた瞬間に起動して撮影できるという小気味よさが、なんとも現代風のガジェット感満載なのだ。

そしてもう1つ。ハンディカムでは伝統となったタッチパネル式の液晶も、より使い勝手を増している。ベゼル(枠)が液晶面とほぼフラットになり、画面端のタッチがしやすくなったのはうれしい改良だ。また、指でなぞってスクロールできるようになったことで目的のメニューへアクセスしやすくなったし、再生時のサムネイル表示で見つけたいシーンの検索がしやすくなった。

メニュー項目は多彩。細かくさまざまな設定をすることで、自分のスタイルにあったカメラに仕上げることができる。もちろん、面倒な設定を一切しない「シンプルモード」も健在で、難しいことを考えずカメラまかせで撮影するスタイルも選択できる。一昔前だったらカメラまかせではキレイに撮れないこともあったが、TG5Vなら逆にあれこれ設定するよりはカメラまかせの方がキレイに撮れることが多い。最低限のメニューを設定しながら、行きの電車に揺られて鎌倉に向かった。

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光学10倍(デジタル120倍)のカールツァイス「バリオ・テッサー」レンズ。起動・スリープの状態に合わせて、自動でレンズカバーが開閉する。レンズ上面にあるのは静止画用フラッシュ

操作は至ってシンプルで、本体背面に配置されているのは録画ボタンと、リング状のズームレバー、静止画用のフォトボタンのみ。そのほかの設定や操作は、すべてタッチパネルでメニューから行なう

液晶モニターを反転させ再生モードにすると、より操作性がアップする。液晶モニターのベゼルがフラットなのはスタイリッシュという事だけでなく、画面端のタッチもしやすい。日中屋外での視認性も良好だ

旅の始まり鎌倉駅。絶妙な露出コントロールで、空が明るいのに白飛びしていない。[静止画:400万画素相当 4:3]