3コースの走行を前に4日、「エアロキング・ハイウェイライナー」タイプの新型バスの1日限定お披露目ツアーが行われた。同バスは2階席に満員の乗客を乗せて、東京駅丸の内南口乗り場から、皇居前広場(見学50分)、首都高速道路、NHKスタジオパーク(見学60分)、明治神宮、表参道、神宮外苑、迎賓館、靖国神社、千鳥ヶ淵、国会議事堂、日比谷、銀座を経て、出発地の東京駅丸の内南口乗り場へ戻るコースで運転された。同ツアーの予約は、はとバスを愛好する熱心なファンなどの応募が殺到し、新型3台の席があっという間に埋まったという。

2階席は通路側が青、窓側が赤を基調としたグラデーションデザインを採用。浅草雷門や東京タワーなどの絵が描かれている

この日の同バスの運転手は、「車内から聞こえてくるエンジン音が、従来モデルに比べてとても静かになった。運転していてとても扱いやすいエンジンで取り回しもいい」と話す。確かに、乗客として2階席中ほどに座ったときの印象としては、発進時の起動音も、変速時の音も、首都高速道路巡航時のエンジン回転音も、まったく気にならなかった。90年代に登場した「エアロキング」先代モデルに比べ、この「エアロキング・ハイウェイライナー」は、ホイールベースが短くなったことや、旋回時に後部のタイヤが進行方向に追従して操舵し最小回転半径を縮めるセルフステア機構の採用などが取り回しやすさを実現しているという。また、新エンジン・直6・12.9Lインタークーラーターボ付「6M70T4」のパワフルで静かな新環境エンジンもこうした印象を与えているのだろう。

一方で、「些細な気になる点としては、リアのオーバーハングがやや長めなので、転回時に気をつかう」とも前出の運転手は語る。これは、ホイールベースを短くしたのと同時にリアのオーバーハングを長めにとっていることと、セルフステア機構が関連しているといわれる。

新型2階建てバスの運転席周り

同社によると、今回の導入の背景には、2階建てバスの定期観光の需要増加が見込まれており、それに対応するかたちだとしている。だが一方で、今回の3台と入れ替わるかたちで老朽化した従来タイプのダブルデッカーが廃車に追い込まれるかもしれないという話も浮上しているようだ。

いずれにしても、はとバスの車両ラインナップに新たに加わった2階建てバスの乗り心地を、従来の2階建てバスと比べたりしながら、ぜひ一度、確かめてほしい。

都心にまた新たな"黄色いバス"が走り出す

「みなさまのご乗車を心よりお待ちしております」