実践編! それぞれのワインと料理の相性について
ブルゴーニュワイン委員会シャブリ支部広報担当のアルノー・ヴァルー氏に聞いた話を盛り込みつつ、ここからは料理とのマリアージュ(相性)やオススメの飲み方を紹介していこう。
まずはプティ・シャブリ。木樽をまったく使わずに発酵・熟成(熟成期間はきわめて短い)させているため、とてもフレッシュ。口に入れたとたん"キュン"となるほどの、はつらつとした酸味がある。味わいもシンプルなので、思いっきり冷やしてアペリティフにどうぞ。 シャブリはしっかりとした酸はお約束だが、その土壌からかプティ・シャブリよりもミネラルに富んでいて、海の香りがする。生牡蠣やホタテ、魚のグリルなどに合う。シャブリ・プルミ・クリュ(シャブリでは木樽で発酵させたものを実際に試飲)は、よりボリューミーで、ミネラル感に加えて華やかさも増す。チキンや仔牛のクリームソース、この地方名物であるモツのソーセージやエスカルゴとの相性がよい。
シャブリ・グラン・クリュはとてつもなく大きく、そして複雑性に富んだワイン。熟したメロンの果肉を思いきりかじった後、パイナップルの甘酸っぱさが口の中に長く残っている感じ。オマール海老やどっしりとしたクリームソースの料理などとの相性は抜群だ。
もっと日本寄りの料理をあげるとすれば、普通のシャブリとのマリアージュなら生牡蠣やホタテの刺身、さらにはコハダなど酢でしめた魚もイケる。梅酢と一緒にいただく鱧、南蛮漬けなどもGood。珍味系なら、なまこ酢やホヤ。焼き鳥ならタレより塩がオススメだ。さらには少々大胆だが、酢醤油でいただく餃子にも合う。
意外に"ニッポンの酒の肴"に合うシャブリワイン。まずは難しく考えず、いつもの酒の肴に合わせてみるところからはじめてみてはいかがだろう。そうすればシャブリワインの世界は、とっても間口の広いものに感じられるだろう。