無線LANルータは、基本つけっぱなしで運用するものだ。しかし、365日24時間フルパワーで動かすのは、やはりもったいないし、地球環境にもよくない。そこで「AtermWR4100N」には、「ECOモード」と呼ばれる省エネ機能が搭載されている。これは、未使用時に無線LANを停止して、有線LANの通信速度を10Mbpsに制限することで消費電力を抑えるというもの。ECOモード時はLEDランプも消え、本体の消費電力は通常待機時に比べて最大27%程度削減される。これがどのくらいエコかというと、1日20時間ECOモードに設定した場合、年間で500mlのペットボトル約4,377本分のCO2を削減できるとのことである。
ECOモードに移行するには、本体の前面についている「ECOボタン」を長押しするだけ。ECOモードから通常モードにする場合は、再びECOボタンを押せばOK。毎回ボタンを押さなくても、スケジュールを組んで自動でECOモードに移行するよう設定しておくこともできる。たとえば、出勤時の午前8時にECOモードを起動し、帰宅時間の午後6時にECOモードを停止するという具合に設定することが可能だ。スケジュールの設定は、Webブラウザ上で簡単に行える。
本体前面の「ECOボタン」。長押しすると、消費電力を削減する「ECOモード」になる。なお、「ECOモード」時は、POWERランプ以外のLEDはすべて消灯する |
「ECOモード」の設定画面。ECOモードを起動する時間や停止する時間を指定できる。就寝時や不在時に自動でECOモードに移行するよう設定することが可能だ |
なお、本製品は「WMM(Wi-Fi MultiMedia)」規格に準拠しており、動画や音楽のストリーミング再生が途切れにくいのも特徴のひとつ。実際にWebを見たり、ネットワーク内の別のコンピュータにファイルをコピーしたりしながら、YouTubeやGyaOなどの動画を見てみたが、特に途中で途切れたりすることなく楽しめた。また、iTunesでネットワーク内の別のマシンにあるプレイリストをストリーミング再生した場合も同様に、何の問題もなく楽しめた。
まとめ
見た目はコンパクトながら、本製品は無線LANルータとして非常に豊富な機能を搭載している。製品ラインアップは、無線LANルータの親機のみの「AtermWR4100N」(PA-WR4100N)と、専用のUSB子機「AtermWL300NU-G」(PA-WL300NU/G)が同梱される「AtermWR4100N USBスティックセット」(PA-WR4100N/NU)の2種類が用意されており、使用環境や用途に合わせて選択可能。専用の子機は、USBスティックタイプのレシーバで、IEEE802.11b/g/n(ドラフト2.0)に対応している。IEEE802.11nに非対応のPCの場合は、本製品の最大150Mbpsという高速通信を生かすためにも子機が付属するセットを選んだ方がいいだろう。
なお本製品には、10/100BASE-TX対応のLANポートが3基搭載されている。このサイズにしてはインタフェースもかなり充実していると思う。初めて無線LAN環境を構築するという初心者から、ルータの買い替えを考えている上級者まで、幅広いユーザーに訴求する製品だと言えるだろう。
■仕様 | |
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AtermWR4100N | |
10/100BASE-TX×1(WAN)、10/100BASE-TX×3(LAN) | |
IEEE802.11b/g(11nテクノロジー) | |
SSID、WEP(152bit/128bit/64bit)、WPA-PSK(TKIP/AES)、WPA2-PSK(TKIP/AES) | |
Windows/Mac OS X/LinuxなどTCP/IPに対応したOS、プレイステーション 3、PSP、ニンテンドーDSなど | |
約W27×D85×H110mm/約0.2kg | |
ACアダプタ、スタンド、マニュアル、CD-ROMなど | |
6,993円 |