堂山昌司副社長

マイクロソフトは26日、次期OS「Windows 7」の価格を発表し、優待アップグレードキャンペーンなどを開始することを発表した。米Microsoftは「10月22日」の発売としているが、現時点で国内販売の時期は明らかにされていない。発売時期は、7月7日の経営戦略説明会で発表される見込みだ。

Windows 7は、7世代目のWindows OSとしてマイクロソフトが現在開発を進めている。現時点では製品候補(RC)版の状況で、利用者からのフィードバックをえながら、製品開発の最終段階に向かっている。2008年11月からWindows 7の情報が明らかにされて以降、今年1月にはベータ版をリリース。それから5月のRC版に至るまで多くのユーザーが利用している。

Windows 7の開発状況。現在はRC版が利用されており、開発完了に向かって最後の追い込みが進められている

今回のWindows 7の開発に当たって同社では、「今まで以上にお客様の声を聞いた」(堂山昌司副社長)ことが特徴で、既存環境との高い互換性、高い品質と基本性能の開発、IT管理者と開発者の力を引き出す、消費者に楽しさ、エキサイティングを提供する、日本市場に最適化するといった点を重視しているという。

Windows 7開発の背景。5つのポイントに対して注力している

ユーザーがOSに求めるものを調査した結果、3つの声に集約されたとのことで、「あなたのPCをシンプルに(Your PC, simplified)」することを目指した

これまでは先行ユーザー向けだったが、これからは一般ユーザーを対象にした施策を打ち出していく

現状は開発途上のRC版であり、既存のユーザーはおおむねパートナーやIT管理者、ITに強いユーザーに限られていたが、今後発売に向け、一般ユーザー向けの施策を打ち出していく。

まず、Windows 7の価格が決まった。Windows 7にはOEM向けに提供される「Windows 7 Starter」、ホームユーザー向けの「同Home Premium」、法人向けの「同Professional」、そしてすべての機能が搭載された「同Ultimate」、ボリュームライセンス向けの「同Enterprise」の5エディションだが、一般に購入できるのはHome Premium、Professional、Ultimateの3種類で、それぞれの価格は以下の通りになる。

一般向けで中心になるのは家庭向けのHome Premiumと、法人向けのProfessionalの各エディション。Professionalは、家庭のPCを企業内でも使うユーザーも対象にしている

Vistaでは法人向けのVista BusinessでHome Premiumの一部機能が省かれていたが、シンプルさを求める声に応え、ProfessionalではHome Premiumの全機能が利用できるようになり、分かりやすくなった

それぞれの価格

■Windows 7の参考価格
エディション Home Premium Professional Ultimate
通常版 24,800円 37,800円 38,800円
アップグレード版 15,800円 25,800円 26,800円

Vistaユーザーは上書きインストール可能、XPユーザーは新規インストールのみ

既存のWindows XP/Vistaユーザーはアップグレード版を購入できる。Home Premiumに関しては、Windows 7で機能が向上しているにもかかわらず、XPからVistaへのアップグレード版価格よりも値下げ。Windows 7 Professionalでは、既存のVista Businessとは異なり、Home Premiumの機能も取り込んでいるにもかかわらず価格を据え置くなど、戦略的な値付けを行っている。

アップグレードできるのはXP/Vistaユーザー。XPユーザーは新規インストールしかできない

ライセンス上は、XP/Vistaユーザーがアップグレード版を利用できる。Vistaユーザーは上書きインストールが可能で既存の環境をそのまま引き継げるが、XPユーザーは新規インストールが必要なため、既存のデータをバックアップしてからインストールしなければならない。

互換性を重視し、アップグレードできるかどうか、さまざまなツールを提供。互換性がない場合でも仮想化技術のWindows XPモードを提供する