撮像素子には有効1020万画素のCCDを、処理エンジンには「BIONZ」をそれぞれ採用する。初期設定の画質は、彩度とシャープネスがほどよく高められていて見栄えがいい。撮像素子のスペックは従来と同じだが、発色はよりクリアになった。高感度でのノイズはやや多め。特に最高感度のISO3200はノイジーなので緊急用と割り切ったほうがいい。
低感度時の解像感は高い。ひとつ上のα380に比べると画素数は少ないが、A4までのプリント用では両者の差は見分けにくい。そう考えると、兄弟機3台の中ではこのα330が最もコストパフォーマンスに優れるといえる。
全体としては「デジタル一眼レフのビギナー」や「コンパクトデジカメからステップアップする人」向け、という性格をデザインや機能、操作性のすべてに徹底させた、いさぎよさに好印象を受ける。ただ、最新エントリー機として動画機能がないのはアピール的に弱い。従来機に比べて一部の機能へのアクセス性が低下した部分は、中級以上のユーザーには不満が残るが、初級者にはそのほうが親しみやすいのかもしれない。
ちなみに、ストラップやラッピングクロス、レンズキャップホルダーなどのカメラを着飾るための別売アクセサリーが充実していることも特長のひとつだ。「難しそう」というデジタル一眼レフのハードルを下げ、初級者が気楽に楽しめるカメラだ。