限界に近付くNANDと、NANDの"次"

――半導体業界ではムーアの法則の限界が叫ばれているが、NANDフラッシュもまた物理限界からスケーリングの限界が近付いているのか?

Mehrotra氏 その通りだ。NANDフラッシュの微細化は物理限界に近付いている。だがわれわれはこの分野での経験があり、そうした限界への挑戦で(東芝との)ジョイントベンチャーがベストな関係にあると思う。このようにして、あと2-3世代はスケーリングが進められると考えられている。この関係は今後の3Dメモリ技術の開発でも続き、やがては"ポストNAND"になるのではと思っている。

――つまり、(SanDiskからみて)3DメモリがNANDの次の技術になるということか?

Mehrotra氏 有力候補の1つという位置付けだ。これは2006年にMatrix Semiconductorの買収で得た技術で、東芝との提携で"書き換え可能な"メモリにすべく技術開発を進めている。もともとの技術は1回だけの書き込みに対応したものだったが、これを複数回の書き換えに対応させるべく研究を進めている。そのためには複数回書き換えを実現するためのスイッチ素材(マテリアル)を見つけなければならず、現状ではまだ実現できていない。

――SanDiskの現在のミッションは、来たるべきNANDフラッシュの限界到来より前に3Dメモリ技術を完成させることか?

Mehrotra氏 それは違う。われわれのミッションはあくまでNANDフラッシュの技術開発を続けていくことであり、3Dメモリの開発はそれと並行して進んでいる。技術の話で2-3年先は何が起こるか予想はできないが、NAND自体も今後数年(4-5年)はスケーリングが可能だろう。