――聴く方には注目してもらいたいポイントはありますか?
「楽しくポップで、ワクワクするようなメロディの曲なのですが、詞の内容には意外とメッセージ性があったりするんですよ。ただ楽しいだけの曲ではなく、詞もじっくりとチェックしてもらいたいと思っています。私はその中でも『勇気こそジュエル』というフレーズがとても好きなので、そのあたりにも注目していただければうれしいですね」
――イベントなどで子どもたちを前に歌ってみた感想はいかがですか?
「これまでは同世代の方が観に来るイベントが多かったので、子どもたちがどういう反応をしてくれるのか、実際に歌うまでは本当にわからなかったんですよ。キョトンとして観ていたりするのかなって思っていたのですが、意外にみんなが一緒になって歌ってくれたり、振り付けを真似してくれたりするんですよ。最初はどうなることかと思っていましたが、子どもたちはとても楽しみにしてくれていたみたいですし、私も本当に楽しかったです」
――子どもたちにとっては、浅香唯が歌っているというよりも、本当に「歌のお姉さん」が歌っているという感じなんでしょうね
「そうなんですよね。もちろんそれで聴いてもらえるなら全然構わないわけですよ。この歌を歌うときは、とにかく『子どもたちの夢だけは壊さないように』ということを考えています。自分が小さいときに思い描いていたものってみんなそれぞれにあるじゃないですか。私は子どものころ、『ピンクレディは絶対に宇宙人だ』って思っていたんですね(笑)。そういった子どもたちの小さな夢は、絶対に守ってあげたいなって思っているんですよ。なので、ステージでは『ジュエルペットの歌のお姉さん』になりきって歌っています」
――来年でデビュー25周年ということですが、これからさらに新しいファンが増えていきそうですね
「そうですね。子どもたちはまちがいなく昔の私のことを知らないので、『ジュエルペットの歌を歌っているお姉さん』だっていう風に見てもらえれば十分だと思っています。子どものころに聴いた曲ってけっこう覚えているものじゃないですか。いまだにふと口をついて出る歌って、子どものころに聴いた歌が多かったりしますよね。なので、この歌もそういう歌になってくれるとうれしいなと思っています」
――今後の展開として、アニメの主題歌や子供向けの歌も積極的に歌っていこうと思っていますか?
「そういった希望ももちろんあります。ただ私の場合、昔から自分がこうなりたいとか、こういう展開にしたいといったことをあまり考えたことがなくて、そのときそのときの気持ちで動いていくほうなんですね。だから今回もまさかこういう形で、こういう歌を歌わせてもらえるとは全然思っていなかったことなので、今後のことはやはりわからないのですが、望んでもらえるものならば積極的にやりたいと思っています」
――子供向けということに限らず、今後の活動はやはり歌中心ですか?
「そのあたりも全然こだわってはいないですね。ただ、今年の12月で40歳になるので、そこからまたちがう世界がスタートするみたいな気持ちがありまして、そこはライブなどで大きく締めくくろうかなとは思っています」
――そこからまた新しい浅香唯がスタートするわけですね
「そういうつもりではいるのですが、たぶん新しい浅香唯は見つけられないと思います(笑)。自分の気持ちの中では、40代の女性ってものすごいアダルトで、本当に大人の女性というイメージがあるんですよ。ただこれは30歳になるときにも思ったことなんですね。私はもう子どもじゃないんだって。でも実際30歳になったところで大した責任感もなく、何かふらふらとしているうちに30代が終わってしまって……。なので、40歳こそはと思っているのですが、たぶん40代もふらふら~と終わるんじゃないかなって(笑)。ただ、スタートくらいは、ピシっとしたいなって思っています」