佐世保バーガーのブームに乗り、地元の食材にこだわった"ご当地バーガー"が全国各地から名乗りを上げている。あるものは地域おこしの一環として、またあるものは地元食材のアピール目的など、成り立ちの経緯は様々だが、いずれも手づくり感たっぷりで工夫を凝らしたバーガーとなっている。そこで今回は、数ある"ご当地バーガー"の中から4つの地方のバーガーをピックアップしてた。
地元に根付いた「佐世保バーガー」(長崎・佐世保)
"ご当地バーガー"ブームの火付け役とも言える「佐世保バーガー」は、地域おこしなどの意図とはまったく関係なく、佐世保の歴史の中で生まれたという伝統食ともいえる存在。昭和25年頃に米駐留軍兵からつくり方を教わったのが始まりとされ、現在ではそれぞれの店が独自のアイデアやこだわりを持ち、手づくりのハンバーガーを提供している。注目を浴びるようになったのは佐世保市政100周年の前年である2001年。観光用に作成された手づくりバーガー店のマップが好評を博し、その後クチコミで噂が広がりテレビや雑誌等に紹介されるようになったという。
「佐世保バーガー」は、店によって味付けや大きさも異なるが、"手づくりでこだわりのあるメイドイン佐世保のハンバーガー"という定義の元に認定制度が設けられている。コンセプト、独自性・主体性、信頼性、地産地消、将来性という基準をクリアしなければ「佐世保バーガー」として認められないとのこと。また、認定対象は佐世保市内で「佐世保バーガー」の製造を行う事業者となっており、佐世保観光コンベンション協会では「全国へ進出した事業者の場合は佐世保市内の店舗が認定を受けていれば、ひとまず安心」とコメントしている。
名称 | 佐世保バーガー |
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地域 | 長崎県佐世保市 |
取扱店 | SIGHT-SASEBO on LINE「佐世保バーガーMAP」を参照 |
伊勢エビやタコなどが具材の「とばーがー」(三重・鳥羽)
「鳥羽が誇る食材を手軽に味わってもらいたい、そして多くの人に鳥羽の町も楽しんで欲しい」という願いがきっかけとなり、手軽に食べ歩きができるバーガーを市内の事業者から公募しているという「とばーがー」。地元産の食材が1品以上使われていること、注文を受けてからつくること、鳥羽市内で販売されていることという以上3つの定義がある。その他にもコンセプトや独自性、味などが審査され、鳥羽市が認定を行っている。初の認定式は6月15日に行われ、「とばーがー・伊勢えびコロッケバーガー」「とばーがー・たこかつバーガー」「とばーがー・じゃころっけバーガー」「とばーがー・浦村かきドック」の4品が正式に「とばーがー」としてデビューすることになった。鳥羽市では現在も新たな「とばーがー」を公募中で、今後もユニークなバーガーの誕生に期待したい。
「とばーがー・伊勢えびコロッケバーガー」。鳥羽海域で水揚げされた伊勢エビ入りのあつあつコロッケバーガーで、ソースにも伊勢エビが使われている。「パールロード鳥羽展望台 食国蔵王」(三重・鳥羽)で販売。価格は600円 |
「とばーがー・たこかつバーガー」。伊勢湾に浮かぶ神島特産のタコを、タマネギやニンジンなどと一緒にじっくりと煮込んだ洋風カツのバーガー。神島の旅館「山海荘」(三重・鳥羽)で販売。価格は500円 |
「とばーがー・じゃころっけバーガー」。こちらも伊勢湾に浮かぶ答志島産ちりめんじゃこを使ったコロッケを具材にしたライズバーガー。答志島の旅館「やま七」(三重・鳥羽)で販売。価格は390円 |
「とばーがー・浦村かきドック」。牡蠣をベーコンとチーズで包んだフライを具材にしたホットドックタイプのバーガー。代々伝わる秘伝のタレをかけて食べるのもオススメ。牡蠣食べ放題が楽しめる食事処「与吉屋」(三重・鳥羽)で販売。価格は390円 |
名称 | とばーがー |
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地域 | 三重県鳥羽市 |
取扱店 | とばーがー・伊勢えびコロッケバーガー「パールロード鳥羽展望台 食国蔵王」、とばーがー・たこかつバーガー「山海荘」、とばーがー・じゃころっけバーガー「やま七」、とばーがー・浦村かきドック「与吉屋」 |