及川氏に替わって登壇したのは、Google Asia PacificでAndroidのヘッドを務めるTom Moss氏。コード名"Cupcake"ことAndroid 1.5が登場したのが今年の4月。以来、Androidは着実に開発者を取り込んできた。現在、世界14カ国11キャリアで展開されているAndroid携帯だが、Moss氏は「次のストップは日本!」と力強く宣言し、続いてNTTドコモの永田清人執行役員を紹介した。
永田氏は「携帯電話の市場がシュリンクする中にあって、スマートフォン市場は確実に伸びている。ただし、ドコモはこれまであまりスマートフォンには貢献できていなかったかもしれない」と、ビジネスチャンスを逸失してきた過去を振り返り、「ドコモからAndroidフォン"HT-03A"を出せることを非常に嬉しく思う」とする。台湾HTC社の端末である「docomo PRO series HT-03A」は来月にも市場に登場する予定だ。
HT-03Aが成功するために必要なこととして永田氏は「デバイスのすばらしさはもちろん重要だが、それよりもここに来ている開発者の皆さんが、すばらしいアプリケーションを作ってくれることが重要」と語り、「"どこでも楽しめるGoogle"を実現するためにぜひともさまざまなアプリケーションを考えてほしい」と訴えた。
また、グーグルでAndroid開発者の支援を担当するデベロッパー アドボケイトのChris Pruett氏は、HT-03Aのアプリケーション課金モデルについて、「(開発者は)最初は無料のアプリケーションしか登録できないが、近いうちに有料のアプリケーションをクレジットカードで決済できるようなしくみを整える予定」としている。「まずは無償のアプリケーションをたくさん作って登録してほしい。皆さんが作ってくれることで、成功へのさまざまな道が開けてくるはず」(Pruett氏)
最後にMoss氏がもう一度登壇し、「現在、Androidは"チャレンジ2"のフェーズにある」とし、すでに1,700を超えるアプリケーションが登録されているという。日本でのサービスインはAndroidビジネスを次の段階へと飛躍させる重要なチャレンジにあたるが、Moss氏は「Androidは必ず成功する。開発者の皆さんがどんなすばらしいアプリケーションを作ってくれるのか、いまからわくわくしている」と語り、また、来場者へのサプライズプレゼントとして、HT-03Aの実機が無料で配布された。
これがGoogle Developer Dayで来場者に無料で配布されたAndroid端末。プロダクトとしては「非常に不安定な状態」ながらも、来場者が開発者だからこそ配布したという。フルタッチパネルでトラックボール付きのUIが特徴 |