子供の頃遊んだ懐かしの「ねりけし」
ヒノデワシで、同社に残っている懐かしのねりけしも見せてもらった。そのほとんどが、70年代後半~90年代の、子供達の間でねりけしがブームとなった頃に作られたものだ。
ヒノデワシによると、初期のねりけしはデッサン用が主で、香り付きなどの「遊び」要素が入ったものはなかったそうだ。生産されていた正確な年代はわからないとのことだが、70年代頃のものではないかという。
その後、子供たちの間でブームとなった70年代後半ごろから、だんだんと遊び心のあるものが中心的なものとなっていった。「当時は、コーヒーやコーラ、様々な果物などの香り付きはもちろん、形状やパッケージに凝ったものが数多く生産されていました」(吉田氏)。味噌や靴墨などの日常生活で使われる商品を模したものなど、ユニークでバリエーションに富んだものが作られていたようだ。
また、「現在では著作権などの問題もあって作るのはまずいですが、当時は人気だったお菓子や商品などを模したパッケージもありました」(吉田氏)。そういったパロディ商品は、人気も高かったという。誰も持っていない変り種ねりけしの所持者は、クラスではヒーローだったのでは?
現代のねりけしは形より香り
さて、最近のねりけし事情はどうなっているのだろうか? ヒノデワシによると、70年代後半~90年代頃のようなねりけしブームは無いが、現在でもねりけしは小学生を中心に人気の文具なのだそうだ。
ただ、昔はパッケージや形状が変わったものが数多く出ていたが、今は色と香りのついた板状のものがほとんどだという。「パッケージや型を作るのに、莫大なコストがかかってしまう」というのが、主な理由の1つとのこと。
香りは、花や果物の香り、コーヒーなどの飲み物の香り、カレーなど、消しゴムメーカー各社から色々なものが出ているようだが、「特に人気があるのはコーラの香りです。コーラは、ねりけしがブームだった当時からずっと人気の高い商品ですね」(吉田氏)。コーラの香りのねりけしは、持っていたという人も多いのでは? また、ねりけしといえば、複数の種類を混ぜ合わせて新しい色や香りのねりけしを作るのも、王道な遊び方の1つ。2つ以上の香りがセットになっていて、香りを混ぜて遊べるタイプの人気も高いそうだ。企画ものだったため既に生産は終了してしまっているが、香りを公表せずに、クイズ形式にしたねりけしなども、以前同社から発売されていたそうで、「遊び方に決まりは無いので、好きに練ったり混ぜたりして、楽しんでほしいですね。親子で遊んでいるというユーザーさんも多いようです」(吉田氏)。
最近はカラーバリエーションが多く、透明色などの昔は見かけなかったような色も登場してきているという。文房具店などで、「これ、昔無かった!」という新しい色や香りのねりけしに出会ったら、購入して、久しぶりに子供に返って、練って遊んでみてはいかがだろうか?
読者プレゼント
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