シティ・オブ・ドリームズは、大規模なカジノを構えつつも、エンターテインメントに力を入れている(既報参照)。そのひとつがドーム型シアターの「ザ・バブル」であり、シティ・オブ・ドリームズを象徴するランドマークとなっている。
企画制作は、アメリカのエンターテインメント・グループ、ファルコンズ・ツリーハウス。神秘の力を持つドラゴンが、水中王国、ジャングルや惑星王国へ冒険する物語が、幻想的なビジュアル効果を駆使して展開し、見ている者はドラゴンとともに海中へ潜っていったり、魚たちの群れの中に迷ったりと、実際に物語を体感しているかのような気分に浸ることができる。10分間ではあるが、想像をはるかに上回るマルチメディア・ショーの中にいると、濃密な時間を過ごすことができた。
カジュアルから本格派まで多彩な料理の数々
シティ・オブ・ドリームズは、レストランの多彩さでも注目されている。目玉となる最高級中華レストラン「龍軒」(ラン・ヒン)では、広東料理と地元の料理が味わえる。シェフのタム・クー・ファン氏は、ミシュラン1つ星など、数々の賞を受賞した経歴を持つ有名シェフ。伝統の中に現代風のアレンジを加えた料理の数々は、優雅で贅沢なひとときを約束してくれるに違いない。
「喜迎楼」(トレジャー・パレス)も広東料理レストランだが、こちらは一面ガラス張りで景色が楽しめるのが大きな特徴となっている。ランチでは家庭的なレシピを再現したという点心が、ディナーでは極上のシーフードが楽しめる。香港料理とマカオ料理を融合した広東式カフェ「吉祥苑」(ジ・シャン・ユアン)も必ず立ち寄りたい。
「吉祥苑」でぜひ味わっていただきたいのが「パイナップルパン(Po Lo Pau)」。パイナップルが入っているわけではなく、日本で言えば「メロンパン」みたいなもの。マカオの街角でも売られていて、それぞれ味が異なるので食べ比べてみるのもおもしろい。また、チャレンジしてもらいたいのが「鴛鴦茶(えんおうちゃ/ユンヨンチャー)」というコーヒー入り紅茶。どういうわけか、コーヒーと紅茶が一緒になってしまったという飲み物。でも、これが意外と、悪くない(好みによりけりですが……)。
その他にも、数々のレストランがあるが、日本発のフードコート「フード・コロシアム」は、寿司、ラーメン、カレー、ハンバーガーなど6つのブースが用意されていて、地元の人たちからも人気を呼びそうだ。また、カジノ内にはヌードルショップ「ヨー! ヌードルズ」があり、本格的でなおかつ手軽なアジアの名物料理が味わえる。こんなにたくさんの料理を一挙に味わえるのは巨大施設ならではではないだろうか。
ホテル、カジノ、エンターテインメント、そしてブランドショップが並ぶストリート「ザ・ブルバード」がそろった、シティ・オブ・ドリームズはまさにひとつの「街」。それもじっくりと時間をかけて楽しみたいマカオの中の「街」だと言えるだろう。