ホーキンズ氏(右)とホー氏(左)。ホー氏は経済誌などでベストCEOにも選ばれている

シティ・オブ・ドリームズを開発、運営するのは、本社を香港 / マカオに構える、ナスダック・グローバル・セレクト・マーケット上場のエンターテインメント企業であるメルコ・クラウン・エンターテインメント。CEOのローレンス・ホー氏と社長のグレッグ・ホーキンズ氏は、共同記者会見の前に日本メディアとのショート・ブリーフィングに応じた。

ホーキンズ氏はオーストラリアやニュージーランドで、カジノなどのエンターテインメント事業に携わってきた人物であり、マカオでもホテル兼カジノのCEOを務めた経歴を持っている。「シティ・オブ・ドリームズは、カジノだけではなく、ショッピングやショーなど、いろいろなものが楽しめるリゾート」であると語った。ホテルについてもそれぞれ客のターゲットは異なっており、高級感、優雅さをモットーとしたクラウン・タワーズは、贅沢な時間を求めるハイエンドな熟年層、ハードロック・カフェのブランドであるハードロック・ホテルは若い世代などを対象としている。

マカオや香港、中国で最も注目されている経営者のひとりであるホー氏も、「さまざまなものを体験できる多様性を備えているのが、ほかのホテル、リゾートとはまったく異なる点」であると、シティ・オブ・ドリームズの特徴を強調した。

記者会見では世界同時不況の話題が

アジア、オーストラリアなどからのメディアが集まった共同記者会見では、やはり現在の経済状況の中でオープンしたことに対する質問が相次いだ。ホー氏は「金融危機以前から手を打っていたので、プロジェクトへの影響はない。他では計画を途中で断念しているところもあるが、シティ・オブ・ドリームズはまったく問題ない」と自信を見せた。また、2007年、08年に比べればマカオの市場は上向きであり、先行きは明るくなってきているとの見解を示した。シティ・オブ・ドリームズでは、7,000人以上の現地雇用を実現しており、メルコ社はマカオ最大の会社となっている。

さらに同氏は、マカオがアジアの主要都市から空路3時間あまりで到着できる好立地であり、アジア観光のハブになる高い可能性を持っていることを強調し、「数日をかけてマカオを楽しんでもらう」ことが目標であると話した。「数年前には、観光客のマカオ滞在日数は1日以下だった。マカオをもっと楽しむためには、エンターテインメントが不可欠。これが次世代の観光の姿、つまり都市型の総合エンターテインメント・リゾートということ」。そう語るホー氏は、1日5~7万人がシティ・オブ・ドリームズに入場することが目標であるとしめくくった。

ライトアップされたホテル群。真ん中のグランドハイアットは現在オープンに向けて準備中

その後、ハードロック・ホテル前で、ハードロック・ホテルオープンの恒例行事「ギター・スマッシュ」(ギターを叩き壊す)というユニークな式典が行なわれた。夕方からはマカオや香港の著名人たちが集い、花火がホテルの壁から打ち上げられる派手なイベントが、グランド・オープニングを飾った。お祭りムードで盛り上がる中、この日を待っていた一般客40,000人が続々と入場。ショッピングストリートやレストラン、カジノは深夜まで大勢の客でごった返していた。(ホテルなどの詳細、およびマカオ観光については、後日、続報の予定)

ロックスターが舞台でギターを壊すことをヒントにした「ギター・スマッシュ」。ハードロックカフェブランドのホテルならではのパフォーマンスだ

グランド・オープニングのようす。ダンスなどのショーが行なわれた後、しめくくりは花火。ホテルからも花火が打ち上げられ、夜空を鮮やかに染め上げた