昨年12月に発表された、KDDI、テレビ朝日、朝日新聞社の3社が提携した新聞・テレビ連動情報配信サービスが「EZニュースEX」としてスタートする。従来の「EZニュースフラッシュ」を拡充し、幅広いジャンルのニュースや情報を一斉配信するサービスだ。
EZニュースEX。1日200本以上の情報を配信。いちいちネットにつながなくても情報を閲覧できる |
速報ニュースはBroadcastSMS、通常ニュースはBCMCSという配信技術を使い、カスタマイズ機能の「Myニュース」は携帯サイトを使う |
従来のニュースフラッシュは、短い限られたニュースを携帯端末に配信するものだったが、EXでは、テレ朝と朝日新聞の最新ニュースや天気、交通、エンタメ情報、スポーツなど、幅広い情報を提供する。さらにBroadcastSMSを活用し、テレビ番組中にテロップで流れるニュース速報を、「テレビにテロップが出る瞬間に携帯にも配信する」(同)。配信されたテロップは待受画面にも表示される。
テレ朝と朝日新聞のニュースは、3社が運営するセンターで集約して配信。最短で30分ごとに端末に直接配信、蓄積されるため、電波の届かない場所でもニュースを確認できる。
動画ニュースや詳細などは、Webサイトにアクセスして閲覧する仕組みで、特定の言葉が入ったニュースなど、カスタマイズしたニュースも確認できる。天気や交通、占いといった一部のコンテンツもカスタマイズに対応。地域限定の速報ニュースも受信できる。
昨年12月の段階では、情報配信プラットフォームとして他社にも開放する意向を示していたが、現時点では情報配信するのは2社。ただ今後、センターに情報を集めることで他社の情報も集めて配信したい考えだ。
月額利用料は262円。対応端末はbiblio、T002の2機種で、今後順次対応端末を拡大していく。
無線LANでEZwebにつながる
通信回線にau回線ではなく無線LANを介したブロードバンド回線を使う「Wi-Fi WIN」も提供する。対応端末biblioはIEEE802.11b/gをサポートし、「Web認証を必要としない無線LAN」に接続することができる。Web認証がなければ公衆無線LANへの接続も可能だ。
Wi-Fi WINでは、無線LAN経由ながらEZwebなどの携帯インターネットへのアクセスも可能になっており、auのゲートウェイへの接続が必要のため、Web認証を行えないというのがその理由。今後Web認証を行う公衆無線LANへのサポートも拡大していく意向だ。
その代わり、一般的な無線LAN経由の接続とは異なり、EZアプリなどの携帯専用サービスの利用も可能となる。
PC向けサイトを閲覧できるPCサイトビューアーもOpera Mobile 9.5にバージョンアップし、AJAX、Flash Videoの動画コンテンツにも対応。無線LAN経由であればYouTubeの閲覧も可能だ。
同様に無線LAN経由なら10MBまでのファイルアップロード、ダウンロードも可能で、高画質の画像など、DRMのかかっていないファイルをアップロードすることができる。ただし、動画はDRMの有無にかかわらず、端末で撮影した動画しかアップロードできないという。
Eメール機能の拡張はしていないため、添付ファイルサイズは従来通りだが、Webメールサービスを使えば10MBまでのファイルを送受信できる。
auのゲートウェイを経由するため、月額525円の利用料が必要。ただし、2011年6月末までは月額利用料が無料になるキャンペーンも実施。パケット料金は不要だ。
なお、Wi-Fi WINはbiblioのみの対応だが、Opera Mobile 9.5はT002も搭載している。YouTube閲覧や10MBのアップ/ダウンロードはできないが、ズームイン・アウト機能やタブブラウジング、AJAXなどは利用できる。
よく使うメニューを自動表示
au携帯電話では複数の機能を同時に立ち上げ、マルチキーで切り替えて利用できたが、これを拡張した「クイックアクセスメニュー」を提供する。
同メニューでは、画面上部に現在起動している機能が表示され、その下によく使う機能のアイコンが表示される。Eメールや電卓、カレンダーといった機能の起動をカウントしており、よく使われる機能を順番に表示してくれるため、普段利用する機能を素早く起動できる。従来のマルチプレイウィンドウメニューに切り替えて使うこともできる。
主に端末横にあって「押しにくかった」(同社)マルチキーに対し、対応端末のT002では十字キー横にクイックキーを配置。どの画面からでもクイックキーを押せばメニュー画面が立ち上がってより気軽に利用できるようにしたほか、EZwebのお気に入りなどもカウントされるようにした。
対応端末はbiblio、T002。今後の標準機能にしていく考えだ。
読書で違う夏
auは、音楽や映像、スポーツといったような新サービスの導入によって、「新しい文化を提案し、ライフスタイルを創造してきた」(小野寺正社長)という自負を持っている。今回は、「アイデアを一つの形にした」(同)として、「読書」を中心に据えてきた。
「本棚を携帯で持ち歩く、新しい読書の楽しみ方」の提案が目的で、読書機能に力を入れた「ブックケータイ biblio」と同じ東芝製端末「T002」に、新たに読書用アプリ「Book Player」を内蔵した。
同アプリは、電子書籍配信のEZブックから購入した電子書籍を本棚のようにライブラリとして管理し、同じシリーズで各話ごとにファイルが分割しているような作品でも、連続して閲覧することができる。お気に入りのシーンを保存するスクラップ機能も備える。また、7月からは複数のファイルをダウンロードする機能を加え、より快適に電子書籍を利用できるようになっている。
集英社の青年漫画雑誌「週刊ヤングジャンプ」の電子コミック誌「ヤンジャン・モバイル・リアルタイム」を7月まで無料配信するほか、6月25日からは雑誌「ダ・ヴィンチ」編集者が厳選した電子書籍100作品を書評付きで紹介する「夏の感動100冊 selected by ダ・ヴィンチ」キャンペーンも実施する。
Book Player自体は、ライブラリ機能、スクラップ機能を搭載し、書籍の再生には従来のプレイヤー「電子ブックビューア」「BookSurfing」といったビューアのエンジンを利用するため、既存の電子書籍も閲覧可能だ。
なお、Book PlayerはEZブックからダウンロードした電子書籍のみの閲覧に対応する。
スポーツで違う夏
au Smart Sportsは、ジョギングやウォーキングなどのスポーツ時のカロリー計算などをしてくれるアプリとサービスを連携させた「Run & Walk」「Karada Manager」を提供しているが、新たにフィットネスとゴルフをサポートする。
フィットネスの「au Smart Sports Fitness」では、簡単な質問に答えるだけで健康状態やライフスタイルに合わせたヨガやピラティス、リラクゼーション系など100種類のプログラムを提案。携帯の音声と画面に合わせてフィットネスを行える。PCからは、ダンスやエアロビクスなどの複雑な動きのあるフィットネスの動画を見ながら実践でき、消費カロリーをグラフでチェックできる。
100種類のプログラムは順次拡大していく予定で、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)のフィットネス理論にもとづいて組み立てられているという。「携帯でどこでも簡単にフィットネスができる」(高橋氏)ことがメリットで、さらにフィットネスクラブ「ティップネス」、アディダスのオリジナルプログラムも提供する。
「au Smart Sports Golf」では、設定した目標に応じたレッスン・コンテンツを提供。携帯で撮影したスイングの動画を、ティーチングプロのフォームと並べて比較することもできる。
「GPSゴルフナビ」などのアプリも用意され、GPSを使って残りのヤード数を測定することもできる。将来的には、Run & Walkの歩数計のように、歩いた距離のカロリーも計算するといったことも検討している。
自分の体の現状などからスポーツや食事のアドバイスを行う「Karada Manager」では、新たにタニタの体組成計「BC-504」と連携。体組成計とBluetoothで接続し、体重や体脂肪率などのデータを自動記録できるようになった。
また、ユーザー参加型の環境保全活動「Green Road Project」第3弾として、「知床Walk」も実施する。同プロジェクトは、これまで「屋久島Walk」「Green Road Project」として走行距離1kmにつき1円をKDDIが寄付するというもので、今回は世界遺産・知床の環境保全のため、知床財団を設立した斜里町に寄付を行う。
対応機種は、Fitness・Golfは今夏の新モデル全機種、Karada Managerと体組成計の連携はSportio、SOLAR PHONEの2機種などとなっている。