KDDIは、au携帯電話の夏モデルに加え、新たな料金プランや新サービスを導入していくことを発表した。新たに「2つの390円定額」を導入するほか、無線LAN連携サービスも導入するほか、「去年と違う夏。」をテーマにした端末とサービスの組み合わせも訴求を図っていく考えだ。

今夏のテーマは「去年と違う夏。」

パイオニアならではの料金

NTTドコモが5月からスタートさせた、携帯向けパケット定額制サービスの下限金額引き下げにはソフトバンクモバイルも追随したが、「定額のパイオニア」(コンシューマ商品統括本部長・高橋誠氏)であるauは、単純な追随ではなく、「2つの390円の定額プラン」を提供することで対抗する。

2つの390円定額

高橋誠氏

1つめは、パケット定額制の下限金額をさらに引き下げ、月額390円に抑えた「ダブル定額スーパーライト」を8月1日から提供する。

ダブル定額スーパーライト。下限額は低いが、1パケットあたりの料金が他のプランより高め

同社のパケット定額制「ダブル定額」は、これで3種類のプランとなり、上限金額はEZweb・Eメールのみで月額4,410円、PCサイトビューアーも使うと同5,985円、PCに接続したデータ通信を行うと13,650円で変わらないが、下限金額はスーパーライトが390円、ライトが1,050円、ダブル定額が2,100円となる。また、1パケットあたりの通信料も異なり、それぞれ0.105円、0.084円、0.0525円となる。

パケット定額制を最初に始めたのはauで、高橋氏は「パイオニア」だと自負を示しており、「490円で追随するという議論もあったが、(定額制未加入の)層を広げ、これをきっかけとしてモバイルインターネット利用者の層が広がることを期待している」と話す。

もう1つは音声通話の定額プランで、指定したau携帯電話3件に対し、24時間音声通話を無料にする「指定通話定額」。

これまでauは、au携帯電話に加入した家族間の通話は、Cメールも含めて24時間無料となる家族割を提供してきたが、指定通話定額では、月額390円で家族以外のau携帯電話当ての通話・Cメールが無料になるというもの。

高橋氏によれば、普段よく通話する相手を調査したところ、約63%が家族、約23%が恋人・友人となっており、家族割でカバーできない約23%に対する新料金プランとなる。

普段の通話相手は家族をのぞけば友人・恋人が多い

しかも通話時間は21~1時が最も多い。ここを埋めるのが指定通話定額

ソフトバンクは、ホワイトプランとして月額980円の基本料金で家族宛は24時間無料、自社回線宛は1~21時まで無料というプランを提供していた。しかし高橋氏は、「特にKDDIが大事にしたい10~20代のユーザー」(同)の通話は21~1時の間が最も多いと指摘し、ホワイトプランではカバーできていない時間帯の通話が無料になるとメリットを強調する。

ソフトバンクに比べると、通話が多い時間帯を無料にした点と、無料通話分がある点がメリット

高橋氏は、1人のユーザーが常に電話する相手は1~2件という比率が最も高く、さらにそれに1件をプラスした3件であれば効果があるという認識を示しており、3件という回線数の制限は大きなデメリットにはならないという認識だ。

それに対してホワイトプラント同じ月額980円のプランSSシンプルだと、1,050円の無料通話分が含まれ、390円の定額で24時間家族以外とも無料通話ができる点をメリットとして訴求している。