最後に、Acer Incorporated エイサーブランドビジネスユニット ブランドマネージメントディレクター アンディ・チャン氏が「Aspire Timeline」を紹介した。「12インチ以上のサイズでデスクトップPCと同等の処理能力を持つノートPCは、サイズや消費電力が大きい。スマートハンドヘルドは3インチ前後のコンパクトサイズの電話で、インターネットも使えます。消費電力も低いのですが、処理能力は劣ります。昨年発表したAspire Oneはこの間を埋めるミニノートのカテゴリーに入ります。既存のノートPCより小さいデバイスで、処理能力もスマートハンドヘルドより高いという位置づけです。ミニノートで成功したAspire Oneの投入以降、新しいニーズに気付いたのです。ミニノートは小さくてポータブルです。どこにでも持って行けますが、処理能力は十分ではありません。大容量のPowerPointや画像の編集といった高負荷には対応できないため、長期出張には不向きです。そこで、新しいカテゴリーを作ろうとしたのです。実際に1,200ユーザーに、最も必要となるノートPCのキーコンポーネントをひとつだけ選んでもらったところ、長時間バッテリ駆動を選んだのです。そこで、長期出張に対応できる可搬性と処理能力のバランスに優れ、長時間駆動が可能な新しいカテゴリーを作ったのです。特徴は、厚さが1インチ以下、8時間以上のバッテリ駆動を実現、さらに低価格です。200,000円を超える価格だとエンドユーザーには普及しないのです」と、「Aspire Timeline」について基本的な方向性を説明した。
「Aspire Timeline」は、長時間バッテリ駆動を実現しながら、高性能も追求した新カテゴリーの製品 |
薄くて軽量、長時間駆動、デザイン追求、買いやすい価格。これが「Aspire Timeline」の核となっている |
長時間バッテリ駆動については、消費電力を抑えることに注力。LEDバックライトなどを採用するだけでなく、USBポート使用時以外などには電力をシャットダウンしている。薄さは最薄部分で1インチ未満。「Aspire Timeline」では、15.6インチモデルも厚さ0.98インチとなっている。しかも、光学ドライブは内蔵しているのだ。熱処理については、インテルの「Intel Laminar Wall Jet」技術などを使用して、CPUやチップセットを効率よく冷やすだけでなく、ユーザーが触れる部分についても熱くならないようにしている。
パフォーマンスでは、「GPUとメモリーを別途用意しています。これによりグラフィックスの性能が大幅に向上する。サイズで競合する製品より高性能で低消費電力なうえ、低価格なのです。このほかにも、SSDをオプションとして提供しています。現在は80GBですが、将来的には2倍以上にしたいと考えています。持ち運ぶということで、通信機能も充実さました。Bluetoothのほか、3G、WiMAXにも対応しました(3GとWiMAXは排他)」とした。WiMAXは、UQコミュニケーションと協業しており、マシンの投入計画もあるとのこと。現時点ではどのマシンを投入するかは未定だ。
エイサーは、景気が低迷している中でもこのような製品を投入することで、日本、中国、米国で成長できると期待。「Aspire One」は日本の市場でも受け入れられていることが分かったので、「Aspire Timeline」も受け入れられると信じているという。2011年までにはGatewayなども含めて、日本で5位以内のポジションを目指すとした。Windows 7が10月に登場するとなると、8月には対応した「Aspire Timeline」の生産を開始しないと間に合わない。しかし、Windows 7に対応していきたいと意気込みを語った。慎重な対応が必要な法人向けのマシンではWindows 7の搭載は未定。場合によっては、Windows XPも残る可能性があるとした。