はじめに
Monoは、LinuxやMacOS Xといった様々なOSで.NETアプリケーションを動かすことができるソフトウェアです。そのため、C#やVBを使ってマルチプラットフォームのアプリケーションを開発できます。本稿では、VMWareとopenSUSEを利用してMonoを動作させる方法について紹介します。
Monoとは
Monoは、Novelを中心とするオープンソースコミュニティにて開発されています。ライセンスはGPL/LGPL/MITで、主に次のものが含まれています。
・.NET実行環境(CLI実装)
・C#、VB.NETコンパイラ
・Microsoft関連互換ライブラリ(ASP.NET、ADO.NET、WinFormsなど)
・Mono/LinuxGNOME用部品(Gtk#、DB接続ライブラリなど)
2001年に開発が開始され、現在も定期的にリリースが行われています。最新のバージョンではLINQを使うこともできます。
主なリリース履歴
バージョン | 年月 | C# |
---|---|---|
1.0 | 2004/06 | 1.0 |
1.2 | 2006/11 | 2.0 |
2.0 | 2008/10 | 3.0 |
2.2 | 2009/01 | 3.0 |
2.4 | 2009/03 | 3.0 |
Monoを使うメリットとしては、.NETに対応した言語を使ってマルチプラットフォームのアプリケーションを開発できること、また、LinuxでASP.NETアプリケーションが動かせるためライセンス費用を削減できることなどが挙げられます。
Monoの導入
Monoを導入する場合、通常はLinuxをインストールしてMonoをインストールします。しかし、この段階でつまずいてしまう可能性もありますので、本稿ではVMWareとopenSUSEのイメージを使用します。
VMWare Playerのインストール
VMWareとは仮想マシンを実行できるエミュレータです。ここでは無償版であるVMWare Playerを利用します。VMWare社のサイトからユーザ登録をしてダウンロード(約50Mバイト)します。セットアップ方法はインストーラを起動するだけです。
openSUSEの入手と起動
openSUSEはNovelが支援しているLinuxのディストリビューションです。MonoがインストールされたopenSUSEはMonoのダウンロードページから無償で入手できます。
ここではHTTP経由でMono-2.4_openSUSE-11.1.zip(約600Mバイト)をダウンロードします。解凍したファイルを任意のフォルダに配置し、VMWare Playerから読み込みます。これでopenSUSEを起動できます。
なお、VMWareのWindowsとopenSUSE間では、ドラッグ&ドロップしてファイルをコピーすることができます。
openSUSEの初期設定
起動したopenSUSEは英語のUIで表示されます。
もし日本語表示のほうが良い場合は、以下の手順で変更できます。
1. 左下のComputerメニューからYaST(構成管理ツール)を起動します。
2. 管理者(root)のパスワードにmonoと入力します。
3. [system]-[language]を選びます。
4. 第一言語を日本語(Japanese)にします。あわせてキーボード、タイムゾーンも設定します。
5. OKを押します。必要なファイルのダウンロードとインストールが行われます(完了まで数十分かかります)。
以上の設定でデスクトップが日本語で表示され、日本語入力も可能になります。