それでも定格+1GHzを達成したCore i7-920
OSが起動し、ベンチマークも完走するという視点で見ればD-0ステッピングの方が確かに高クロックまで動作しているが、ベンチマークスコアが妥当であるか、という条件で見ると、C-0ステッピングもD-0ステッピングも、今回入手した個体に関しては3.8GHzあたりが限界となった。
「空冷4GHz達成」などと報告のある国内外のD-0ステッピングのレビューから見ると、今回の個体はオーバークロッカーの言う「ハズレ」を引いたのだろうか。あるいはバリバリのオーバークロック機能を謳った専用のマザーボードを選んだほうが良かったかもしれないが、こればかりは懐具合やケースとの組み合せもあるのでご了承いただきたい。
今回の場合、CPUが2万円台後半、マザーボードは2万円以下で入手しており、双方を合わせても出費は5万円を超えず、かなりコストを抑えて組み上げられた。メモリがトリプルチャネルでなったり、チップセットがグラフィック非統合しかなかったりと他にも壁はあるが、Core i7ベースの自作PCも当初と比べれば敷居が下がってきたと言えるだろう。
これにCPU選びの「運」が味方すれば、3GHz後半~4GHzという、定格クロック+1GHz超のオーバークロックが狙えるわけだ。今回はそれでも4GHz近いあたりまでクロックを伸ばせているわけで、Core i7-920が"遊べる"CPUであるという評価に間違いは無いだろう。