ニコニコ動画で今一番勢いのあるジャンルのひとつが「ゲーム実況プレイ動画」。 その名の通り、ビデオゲームを実況しながらプレイする様を撮影した動画のことで、その人気は「実況プレイ動画」のタグで検索すると、なんと20万件以上の動画がヒットするほど! (2009年5月現在)

もちろんニコニコ動画での一種のお遊び動画ですので、どれだけ盛り上がっても"ボーカロイド"や"歌ってみた"のようにビジネスに発展するとは考えにくいのですが……。

と思っていたら、「プロのゲーム実況プレイヤーが誕生した」という衝撃的なニュースが入ってきまして、思わずわが耳を疑いました。実況プレイヤーの……プロ……?

ということで、さっそくどういうことなのか取材してきましたよ。

色違いでおそろいのつなぎを着たえどふみの二人。左が ふみいち で右が えどさん”

今回、史上初の"プロ実況プレイヤー"としての道を歩み始めたのは、えどさん” こと江戸清仁と、ふみいち こと近藤史一によるユニット、えどさん”&ふみいち の二人。なんと本業は俳優なのだとか。

もともと生粋のゲーマーということもあって、ニコニコ動画にゲーム実況プレイ動画を投稿していた彼ら。軽快なトークとゲーム本来の枠を超えた斬新な企画などが評価され、人気実況者としての地位を確立していました。

特に「モンスターハンターポータブル2ndG」を利用して制作された「ドルマ族」動画は、その斬新な発想によりシリーズ累計39万再生という大ヒットを記録、"えどふみ"の知名度を押し上げる出世作となっています。

そんな二人にいち早く注目し、彼らのゲーム実況動画を正式にコンテンツとして採用したのがスポニチ系のサイト「7rush」でした。現在も二人は「ゲームクラッシュ」というコーナーを「7rush」内に持って活動しており、この成功事例が今回の「スタジオえどふみ」設立につながったのだといいます。

スタジオえどふみのロゴ。本人そっくりです

そこで気になるのは、やはり「どうやってゲーム実況動画で収益を上げるのか」というビジネスモデルでしょう。

"えどふみ"が提案するビジネスモデルは次の通り。

まずゲームメーカーが、「新作ゲームの宣伝を安価かつ効果的に行いたい」、または「旧作ゲームの新しい楽しみ方を知ってもらいたい」という目的で、スタジオえどふみに自社の実況プレイ動画の制作を発注します。

えどふみの両者はこれに応えて動画を制作し、雑誌やWebサイトなどのゲーム媒体へ動画を納品。媒体側は自サイトのコンテンツとして動画を掲載するというわけです。

現在ニコニコ動画を中心として絶大な人気を誇るゲーム実況プレイ動画ですが、メーカーの正式な許諾を得て著作権問題をクリアしているのは唯一えどふみの動画のみ。

動画時代ならではの新しい広告モデルとして、パイオニアであるえどふみの動向に今後も注目したいと思います。