インテルのクロスジャンル・コラボレーション・プロジェクト「ガッサク」。このプロジェクトでは、全く異なるフィールドで活躍する7人のクリエイターたちが、今までにない組み合わせで、お互いにインスピレーションを受けながら新しい作品を創り上げていく。このプロジェクトから生まれたのが、サウンドデザイナー松尾謙二郎氏監修による斬新な音楽ツール「Dragencer Lite」だ。このツールは、マウスで絵を描くことにより、誰でも簡単に音楽演奏が可能で、描いた絵と音楽は、ムービーとして保存することもできる。今回のレビューでは、このソフトの楽しみ方を紹介していこう。

まず、WebサイトからWindows XP/Vistaに対応したプログラムファイルをダウンロード(無料)して、Dragencer Liteを利用するための準備をはじめよう。Dragencer Liteには、従来必要だった標準インストーラによるインストール作業が必要ない。ダウンロードした「dragencer_lite.exe」をダブルクリックすると「dragencer_lite」フォルダが自動的に作成される。そのため、フォルダ内の「start.bat」をダブルクリックするだけでDragencer Liteが起動する。なお、プログラムが上手く起動しないときは、動作条件であるAdobe Flash Player 9.0 以降、Adobe AIR(執筆時の最新バージョンは1.5.1)、Microsoft Windows .NET Framework 2.0 SP1 以降などのモジュールがインストールされているか、モジュール導入の有無や各種バージョンなどを再度確認してみよう。また、利用しているWindowsや設定により、Dragencer Liteを起動するとOSやファイアウォールから、いくつかのセキュリティー警告ダイアログが表示される場合がある。その場合もプログラムに添付された書類に従い、慌てずに操作していけば問題はないだろう。

Dragencer Liteには、特別なインストーラは用意されていない。ダウンロードしたファイルを解凍し、表示されたフォルダ内の「start.bat」を実行するだけでDragencer Liteが起動する

Dragencer Lite起動時に、OSやファイアウォールから、いくつかのセキュリティー警告ダイアログが表示される場合があるが、付属の「readme.html」の設定に従って設定を行うこと。また、マニュアルPDFの閲覧にはAdobe Reader 8.1 以降がインストールされている必要がある

準備が整ったら早速Dragencer Liteを起動してみよう。Dragencer Liteの初期画面では、「ガッサク。×You」のロゴが表示された後、中央に真っ白な「キャンバス」と呼ばれる画面が表示される。このキャンバスに、画面右側に配置された「トーンパレット」から音色(鉛筆をドラッグ)を、「カラーパレット」から色をそれぞれ選び、自由に絵(メロディー)を描いていくのが基本的な使い方となっている。それぞれの機能ごとにセクション分けされており、配置された独特のユーザーインタフェースに最初はとまどうかもしれないが、メニューの階層構造などもないので、パソコン初心者や子供にも分かり易くて、直感的な操作が可能だ。とはいえ、適当に絵を描くだけではなかなか絵とメロディーを両立させることは難しい。そこで、Dragencer Liteにはふたつのモードが用意されている。ひとつは、絵を描きながらその動きが奏でる音を楽しめる「下絵モード」(Startボタンを押していない状態)。もうひとつはStartボタンを押し、リズムを流しながらそれに合わせて絵を描き、その絵と音をレコーディングしていく「リアルタイムモード」だ。

ユーザーインタフェースは、非常に明快な配置と構造になっている。そのためパソコンに詳しくないユーザーでもマニュアルなどを参照せずに、すべての操作を把握できる。まずは、中央のキャンバスにトーンパレット/カラーパレットから好きな音色と色をそれぞれ選んで絵を描いてみよう