航空券の値段には競争原理が働いている。そのため、通常はサービスが芳しくない、あるいは時間帯が悪くスケジュールが組みにくい、など、人気のない航空会社ほど値段が安い。ところが、例外的に、航空券市場に驚くような安さで出てくる航空会社がある。今年でいえば、成田 - ロンドン間を運航しているブリティッシュ・エアウェイズがそうだ。ヨーロッパ域内の主要な都市へ行くことができる航空券が、連休中でも往復6万円台で出ている。6月に直行便を就航するノースウエスト航空(デルタ航空)のニューヨーク線も、同程度の値段で行けて狙い目である。
海外で急増中のローコストエアライン(LCC)を使って割安な旅をする方法もある。アジアならバンコクやクアラルンプールを拠点に近隣諸国に広いネットワークを持つエア・アジア、ヨーロッパならロンドンが拠点のイージージェット、ベルリンが拠点のエア・ベルリンなどが路線も多く使いやすい。もともと安いLCCの運賃は、「円高」によって一層割安感が増しているのだ。LCCの運賃は一定ではないが、ヨーロッパ内なら往復5,000円前後で乗れることも多い。日本からの割引航空券でヨーロッパへ行くと1、2都市は余分に回れるが、もっと多くの都市を巡ってみたいならLCCを使ってみるといい。
アジアはヨーロッパ以上にLCCの利用価値が高い。アジアの場合、日本からの割引航空券で周遊ができないことが多い。そこで、片道数千円あるいはもっと安い値段で乗れるエア・アジアで周遊旅行を楽しむわけである。
実は、日本にもLCCのジェットスター航空が乗り入れていて、この原稿を書いている最中に、成田からオーストラリア(ケアンズ)往復を2万円(7月14日まで適用)で売り出した。LCCはこうした激安料金をメールで知らせてくれるから、旅行好きな人は、とりあえずメルマガの登録をしておくといいだろう。
"塵"も積もれば……急増する追加料金
最後にひとつ。最近、航空会社を利用する際に、いろいろな追加料金を払わされる傾向が強くなっている。燃油サーチャージはずいぶんと安くなったがまだ無料ではないし、数千円の「発券手数料」なるものを徴収する航空会社が急増している。LCCは運賃が安くても、機内食や毛布などのサービスが有料なのは当たり前だ。
また、空港で預ける手荷物の重量チェックも厳しくなり、規定の重さを数百グラム超えただけで長距離路線なら万円単位の追加料金を請求されるケースもある。せっかくの海外旅行であまりケチケチしたくはないが、割安な航空券を購入しても、手数料が積もるとお得感が減るので、上手に節約も心がけたい。