いよいよハイキングコースへ踏み入る
スタート前に、同行した登山家の戸高雅史氏の指導でストレッチを行う。気合いを入れて山に挑むという感じではなく、のんびりと楽しむけれど油断はしないようにといった、海水浴前の準備運動みたいな雰囲気だ。
準備が整ったところで、いよいよハイキングコースへ踏み入る。入り口付近は葉が落ちた広葉樹林に囲まれている細い道で、地下鉄駅階段のような勾配だった。早速、山道を歩いている雰囲気を満喫するとともに、春の陽気の中でうっすらと汗が出始めた。歩くのがキツいと感じないのは、ゆっくりとしたペースと自然に囲まれた環境のおかげかもしれない。初対面のスタッフや参加者達と会話を楽しむ余裕もあり、気が付けば山腹に準備された休憩地点までたどり着いていた。
出迎えたのは、鹿の角と富士山の絶景!
20分ほどの休憩の後、今度は周囲に灌木と枯れ草が広がる視界の開けた斜面を登る。この付近には鹿が棲息していて、実際にコールマンのスタッフが3上旬に来た時には、群れに遭遇したとのこと。そして、2人の参加者が抜け落ちたばかりの鹿の角を発見! よく見れば、灌木には角をこすった跡や、地面には糞や足跡が残っており、野生の領域に踏み込んだ実感が湧いてくる。
自分でも鹿の角を見つけてみようと足下ばかり気にしながら登っていたら、いつの間にか高指山の山頂が目の前に迫っていた。ふと、視線を背後に向けてみたら、そこには富士山と山中湖の絶景が広がっていた……。トレッキングの楽しみは人それぞれだし、行く先々で違うかもしれないが、今回はこの景色を臨めただけでも十分と感じたほどだ。
山頂に到着したところで、絶景を眺めながら30分ほど休憩。ポータブルクッションを広げて腰を下ろしてみると、今更ながら足に心地よい程度の疲れを感じた。もっと高い山にも登れそうな気もしたが、初心者が楽しむにはこれくらいの高さの山がちょうど良かったのかもしれない。その後、おなかが空いた人から順に、ランチが待つ山腹の休憩地点まで戻ることとなった。