読者が選ぶベストレシピ
また会場では、栗原さんの"ベストレシピ"も紹介された。これは、季刊誌『haru_mi』(扶桑社)誌上で読者1,000人にアンケートを行い、ベスト3の料理をピックアップしたもの。
3位にはサバや干し椎茸、玉ネギ、人参を使った「さばそぼろ」。調味料は醤油と少量の味噌、砂糖、味醂。「絹さやや海苔を添えるとちょっぴり豪華になります」。2位は「人参とツナのサラダ」。人参が大量にあったときに思いついたレシピで、材料は人参以外にツナ缶と玉ネギ、ニンニク、粒マスタード、オリーブ油、ワインビネガー。電子レンジで少し加熱することで、人参が生でも茹でたのとも違うシャキシャキした食感に仕上がるとのことだった。
そして1位は『もう一度、ごちそうさまがききたくて。』に収録されているレシピ「揚げ鶏ネギソース」。醤油と酒のみで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げた鶏肉に、長ネギソースをかけたもの。はるみさんのお父さんの鶏肉嫌いを無くそうと考えたレシピで、非常に思い出深い料理とのことだった。包丁を入れたときに、カリカリッと音がするように揚げているのがポイント。下味がしっかり鶏肉にしみ込むまでもみ込み、水分を十分に切ってから片栗粉をたっぷりとつけて強火で揚げる。中まで火を通すために中火で揚げることがあるが、はるみさんのレシピでは火は強火のまま。焦がさないためには、途中で鶏肉を取り出して空気に触れさせて温度を下げるとよい。
あくまでも主婦目線で
「複雑な内容ではなく、あくまで主婦なので、家にある材料に1つ買い足せばつくることができるような料理を心がけています」。例えば、家庭の常備菜であるジャガイモ。料理家としては置いておくと味が落ちるので、買ったその日のうちに使い切りたいもの。しかし、主婦としては毎日の料理に無駄なく活用していきたい。「主婦目線で行くと、古くなったジャガイモでもいかにおいしく食べさせるかが大事になってくるんです」。自らが主婦であるゆえに、こういった目線でのレシピ開発が行え、結果、長年主婦層に支持されてきたのだろうと実感するコメントだった。