アップルから、オフィススイート「iWork」新バージョンが登場。ワープロソフト「Pages」と表計算ソフト「Numbers」、プレゼンソフト「Keynote」の3ソフトで構成されており、表現力豊かなビジネス文書やスライドを手軽に作成できる。ここでは、新しく追加された機能を中心に、その特徴と魅力を紹介したい。
主な仕様 [バージョン] 09 [対応機種] PowerPC G4(500GHz以上)/G5以上、Intelプロセッサ搭載Mac [対応OS] Mac OS X 10.4.11または10.5.6以上(QuickTime 7.5.5以上) [メモリ] 512MB(1GB以上推奨) [HDD空き容量] 1.2GB以上 [価格] 8,800円
直感的かつ洗練された使い勝手が魅力
iWorkには、ワープロ「Pages」と表計算「Numbers」、プレゼン「Keynote」の3種類のソフトが搭載されている。ソフトの位置づけは、それぞれ、Microsoft Officeの「Word」、「Excel」、「PowerPoint」とほぼ同じ。ファイルの互換性もあり、Microsoft Officeのファイルを直接読み込んだり、書き出したりできる。再現性もそこそこ高く、シンプルな文書であれば元のレイアウトが大きく崩れることも少ない。しかし、Wordの縦書きやExcelのマクロなど、iWorkでは対応していない機能も存在する。そのため、場合によっては、文書を読み込んだ後に大きな手直しが必要になることもある。互換性を重視するならば、素直にMicrosoft OfficeのMac OS X版を使った方がいいだろう。
ただし、iWorkにはMicrosoft Officeにはない魅力がある。そのひとつが、レイアウトの自由度の高さだ。Microsoft Officeでも工夫すればDTPソフトで組んだような複雑なレイアウトが可能だが、iWorkではそれがもっと簡単かつ直感的に実現できる。さらに、あらかじめ豊富なテンプレートが用意されており、デザイン初心者でも見栄えのする文書を手軽に作成することも可能だ。テンプレートは、いずれもアップルがデザインしたもので、非常に洗練されているのが特徴。今回のバージョンでは、その種類がさらに拡張されており、より多様なシーンで使えるようになっている。
「Pages」のテンプレートセレクタ。あらかじめ、さまざまな種類のテンプレートが用意されており、好みのものを選んで文章や写真を差し替えるだけで簡単に見栄えのする文書を作成できる |
「Pages」のテンプレートの一例。アップルがデザインしただけあり、この手のテンプレートとしてはかなり洗練されている |
新バージョンでは、作成した文書をネットワークで共有できる機能「iWork.com」も搭載された。この機能を使うと、iWorkがインストールされていないマシンからでも、Webブラウザ上で文書を閲覧できる。ブラウザ上で直接編集することはできないが、コメントを付けることは可能だ。また、文書をiWorkのネイティブファイルとPDF、Microsoft Officeのいずれかの形式でダウンロードすることもできる。複数人で文書を共同で作成する場合などには便利に使えそうだ。なお、現在のところ、同サービスはパブリックベータとなっており無料で利用できるが、正式サービス開始後は有料になる見込みとなっている。