楽器博物館にて

ピッツァ & パスタの食べ歩きをした翌日は、再びミラノの街を散策。中世最大の城といわれているスフォルツェスコ城へ向かった。この城には、ミケランジェロが死の数日前まで製作していたといわれる『ロンダニーニのピエタ』も展示されている。他に14~18世紀の作品を集めた絵画ギャラリーや、楽器博物館という面白そうなスポットもある。15世紀には、イタリア各地からの芸術家たちがスフォルツェスコ城内の宮殿で技を競ったという。「昔の人はこうやって手づくりの楽器で音楽を楽しんでいたんだな~」と想像を掻き立ててくれるような、歴史あるおもしろ楽器が博物館にはたくさんあった。

イタリア・ミラノのスカラ座を見学。煌びやかな内装にうっとり…

【レポート】ピッツァ & パスタを食べつくす! - イタリアグルメレポート(前編)

ここでは、トーカティブな国民性につられてこちらもついついハイテンションになってしまう国、イタリアをレポート。まず前編となる今回は、世界遺産を紹介しながら、イタリアングルメの定番、ピッツァやパスタを紹介!

どこで食べてもおいしいパスタ、意外に見つからないジェラート屋

その後、またまた小腹が空いたのですぐさまパスタ。今回はポルチーニ茸のクリームフィットチーニ。たっぷりかけられたハーブが食欲をそそる。ソース自体はいたってシンプルなのだが、その分ハーブとポルチーニ茸の風味が生きる。イタリアでは何度もパスタを食べたが、どこで食べても今回はハズレがなく、食事が楽しみで仕方なかった。

ポルチーニ茸のクリームフィットチーニ

おいしいカプチーノがリーズナブルに楽しめるのもイタリアの魅力

そして、「ヨーロッパのカフェ文化って本当に素晴らしい」と思うのが、どこへ行ってもコーヒーがとにかく安いこと。日本で飲んだら1杯400円はとられるであろうクオリティのコーヒーが、イタリアでは130円程度でいただける。また、イタリアでスイーツといえばイタリアンジェラート! 様々な価格帯の店があるが、私が今回いったのは若者向け。日本と同様、バニラやチョコレートが主流だが、栗ジェラートも人気。ジェラテリア(ジェラート専門店)はたくさんあるのかと思っていたが、意外に探さないと見つからない。これにはちょっぴり驚き。

ジェラテリアにて。どれをオーダーしようか楽しい悩み

その後、ミラノから車を3、4時間走らせた郊外にあるワイン農家の見学に行った。「とにかく本物をつくりたい」と、長雨や気候変動の冷害にも屈せず、完全無肥料・無農薬で土や食物本来の力のみを信じてブドウを栽培している彼らの深い精神には本当に感動した。 更に彼らはこう話す。「本物というのは、食べた瞬間でわかる場合もあるし、何度も何度も食べて触れて、そしてそれができた工程、理由を知る事で、そのもの本来の味を知ることができる場合もある。故に、私たちのワインは味がわかる人にしか売ることができないんだ」。そんなお話を伺いつつ、赤ワイン用のブドウを試食。農薬が一切使われていないので、栄養のある種や茎の部分まですべて無駄にすることなくワインに使われるという。1粒ひと粒が非常に濃厚な味だった。

収穫後の秋のワイン圃場

赤ワイン用のブドウを試食

ワインを実際試飲してみると、今まで飲んだことのないような表現しがたい味わい……。おいしいのは勿論なのだが、ブドウからのメッセージともいうのか、底知れぬ深みが印象的だった。そして、私がこのワインを語るのはまだまだ早いのだとも感じた。"本物"をつくるには時間や精神力が必要で、そしてそれをいただく側もまた、それだけの知識や経験があってこそ、その価値が分かるのだろう。