開口一番、「昨年、デスクトップ分野で起こしたマイクロプロセッサの革新を、本日よりサーバー・ワークステーションに展開する」と宣言したのは、インテルの吉田和正代表取締役社長。世界的な不況の中での新製品発表となったが、「インテルとしては、この技術革新を通して、経済の活性化に貢献していきたい」とアピールした。
Xeon 5500番台には、従来のFSBに代わるQuickPathインターコネクト(QPI)、高速なDDR3メモリコントローラ、Turbo Boostテクノロジ、Hyper-Threadingテクノロジ、Virtualizationテクノロジ、コア毎のパワーゲート機能などが搭載される。
同社によれば、「Pentium Proを投入して以来、技術的に最も革新的なエンタープライズ向けCPUになる」という。パフォーマンスは、従来のXeon 5400番台に比べて2倍以上。しかもアイドル時の消費電力は半減している。ゲルシンガー氏も、「Nehalem-EPは大きな躍進になる。今後2~3年間は、これほどまで大きな発表はないだろう」と自信を見せる。
HPC分野でも注目は大きく、すでにNASAがピーク性能1ペタフロップスという大規模なシステムの開発を発表したほか、CERNでもアップグレードを決めたという。
しかし、2008年に始まった不況は、今年も先が見えない。コスト削減が至上命題であるはずの民間企業においても、導入が進むだろうか。
これについて、同社がアピールするのは電力効率の高さだ。同社の試算によると、2005年に導入した184台のシングルコアXeon搭載サーバーを、21台のXeon 5500搭載サーバーにリプレースすることで、年間の電力コストは90%削減。投資額はわずか8カ月で回収できるという。「これは米国の電気代での計算なので、日本の場合はもっと早い」とゲルシンガー氏。
またNehalem-EPに続き、Xeon 7400番台の後継になる「Nehalem-EX」も「今年末には出る」(ゲルシンガー氏)。こちらは、最大8コア。24MBの共有キャッシュを持ち、23億個のトランジスタを搭載するCPUになる見込みだ。