パフォーマンスの測定には、定番ベンチマークソフト「Xbench 1.3」を利用した。比較対象は2008年秋発売の「MacBook Pro 15インチ 2.53GHz (MB471J/A)」(※注)、クロック数は異なるがIntel Core 2 Duo (Penryn) と1066MHzのFSB、6MBの2次キャッシュ、DDR3 SDRAMを4GB搭載と、スペックに大きな差はない。そこで、GPUはNVIDIA 9600M GTのみを測定対象とした。

※注: 2009年3月現在、2.66GHzにクロックアップされた「MC026J/A」にマイナーチェンジされている

結果だが、CPUテストはクロック数の差が反映された程度の微増。Threadテストは約10%アップと、CPUテストにおける伸び率 (3.4%) を上回ったが、全体のパフォーマンスに大きく影響するレベルとは考えにくい。同じGPU / GRAMということもあり、グラフィック性能を測るテスト3種 (Quartz Graphics、OpenGL Graphics、User Interface) にも大きな差は見られなかった。

■表: Xbench 1.3の結果
MacBook Pro 17インチ(2.66GHz / 4GB RAM) MacBook Pro 15インチ(2.53GHz / 4GB RAM)
GPU 9600M GT 9600M GT
CPU Test 154.7 149.655
Thread Test 348.8 317.64
Memory Test 178.2 179.135
Quartz Graphics Test 181.14 170.965
OpenGL Graphics Test 157.52 153.815
User Interface Test 331.12 329.85
Disk Test 49.42 40.795
※:MacBook Pro 15インチ(2.53GHz / 4GB RAM)のOSはMac OS X 10.5.5を使用

最大の変更点「バッテリー」をどう見るか? 長期ロードテストで検証するしかないかも

以上、駆け足でMacBook Pro 17"をレビューしてみたが、やはり注目すべきはバッテリーの変更だろう。自力での交換が難しくなったことと引き換えに大容量化を獲得、最長8時間という17インチモデルにしては特筆すべき連続使用時間が実現された。

ただし、これまでMacBook Proシリーズには少なくないバッテリ周りのトラブルが報告されている。実際に2006年発売のMacBook Proでは、突然認識されなくなる、あまりに早く寿命が尽きるなどの問題が確認され、バッテリー交換プログラムが実施された。もしそのような事態が新MacBook Pro 17"で発生すれば、Apple Storeから遠く離れた場所に住むユーザにとって一大事となることは必至。バッテリー交換不可という仕様は是か非か、ひょっとすると鬼が出るか蛇が出るか、少なくとも1年以上の時間をかけて検証するしかなさそうだ。

旧MacBook Pro (Late 2006) と見比べると、フロントメッシュの細かさなどディテールの違いに気付くはず

■仕様(基本構成時)
製品名 17インチMacBook Pro
CPU Intel Core2 Duo(2.66GHz)
メモリ 4GB(2GB×2、最大8GB/1066GHz DDR3 SDRAM)
HDD 320GB(SATA 5400rpm)
光学ドライブ DVDスーパードライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce 9400M/NVIDIA GeForce 9600M GT 512MB
ディスプレイ 17型 LEDバックライト搭載クリアワイドスクリーン(1,920×1,200)
オーディオ 内蔵ステレオスピーカー、無指向性マイクロフォン内蔵、オーディオ入力(光デジタル・アナログ兼用)、オーディオ出力(光デジタル・アナログ兼用)、ヘッドフォン出力
ネットワーク 10/100/1000BASE-T対応有線LAN、AirMac Extreme Wi-Fi(IEEE 802.11n対応)
インタフェース USB 2.0×3、FireWire 800(IEEE1394b)×1、Mini DisplayPort×1、Bluetooth 2.1+EDR
カードスロット ExpressCard/34
バッテリ駆動時間 約8時間
サイズ/重量 W393×D267×H250mm/約2.99kg
OS Mac OS X 10.5 Leopard
直販価格 318,800円から