オプションの遮光フードを装着した状態。本製品には、他にも推奨品としてエックスライト社の測色器「i1Display 2」やカラーキャリブレーションソフト「SpectraNavi-J」なども用意されており、簡単に高精度な色調整が行える |
本製品は、推奨品のエックスライト社製測色器「i1Display 2」と専用ソフト「SpectraNavi-J」を使うと、ハードウェアキャリブレーションを行うことができる。測色器をセットしてソフトを実行すると、ディスプレイ側が自動で色や輝度、階調を最適化してくれるため、手軽に正確な色調整が実現可能。今回は、製品と一緒にこれらのカラーキャリブレーションツールも借りることができたので、実際にキャリブレーションを行ってみたのだが、あっけないくらい簡単に完了した。色調整にかかる時間も数分程度と短いので、仕事の合間にでも気軽に実行できる。安定した色再現には定期的なキャリブレーションが欠かせないが、これなら面倒くさがり屋でも負担を感じないはずだ。
液晶サイズが大きくなると、輝度ムラや色ムラも起きやすくなる。しかし、本製品の場合はそうしたムラを補正する「ムラ補正機能(UNIFORMITY)」が搭載されている。利用するには、本体前面に搭載されているメニューボタンを押してOSD(オンスクリーンディスプレイ)を表示してUNIFORMITYの設定を変更するだけでいい。もっとも、オフの状態でもムラは少なく、ほとんど違和感は感じなかった。
本体前面に搭載されているメニューボタンを押すとOSDなどの設定画面を表示できる |
OSDを表示させたところ。メニューの中の「UNIFORMITY」の設定を変更すると、画面のムラをパネルの状態に合わせて補正することができる。この他、シャープネスなどを調節することも可能 |
この他、シャープネスなどもOSDで設定を変更できる。紙媒体のデザインを行う際は、液晶画面だと印刷した場合よりシャープに見えすぎてしまうことがあるが、これを利用すれば紙の見え方に近づけることも可能だ。
まとめ
一般的なディスプレイの場合、製品の個体差を解消するには、ユーザー個人が自分で調整する必要がある。しかし、LCD2690WUXi2-BKの場合は、工場出荷時に1台ずつパネル特性に合わせてムラ補正やガンマ調整が行われている。そのため、製品購入直後から比較的簡単に正確な色再現が可能だ。厳密な色再現性が重要になってくるデザインの現場にはありがたい特徴だといえるだろう。
他にも、室内の明るさに合わせて画面輝度を最適な状態に自動調節する機能や、液晶画面を90度回転させて縦表示にするピボット機能など、便利な機能が数多く搭載されている。ディスプレイを最大150mm上下に調整できる「スタンド高さ調節機能」も装備しているため、使用する机や椅子の高さに合わせて見やすい位置に画面を動かすこともできる。疲れにくい作業環境を構築するには、このような機能も十分役立ってくれるはずだ。
スペック的にも、価格的にも、一般ユーザーには少し敷居が高いのが少々残念だが、その分、画質は現在望める最高クラスのものとなっている。デザイナーやフォトグラファーのように「色」にシビアなプロフェッショナルはもちろん、長期にわたってガッツリ使い倒したいというユーザーにもぜひお勧めしたい製品である。
■仕様 | |
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製品名 | MultiSync LCD2690WUXi2-BK |
画面サイズ | 25.5型 |
表示解像度 | 1920×1200 |
視野角 | 左右178度、上下178度 |
輝度 | 320cd/m2 |
コントラスト比 | 1000: 1 |
入力端子 | DVI-D(HDCP対応)、DVI-I(HDCP対応)、ミニD-SUB15ピン |
サイズ/重量 | 589.W8×H444.2~594.2×306.D0mm/約12.8kg(スタンド含む) |
付属品 | 電源コード、信号ケーブル(DVI-D/DVI-D、DVI-A/ミニD-SUB15ピン)、ユーティリティーディスク、ケーブルカバー他 |
NEC得選街価格 | 197,400円 |