フランドルでの物流の流れは、まず各店舗からの注文を本社が受け、エコセンターに対して出荷指示を出す。エコセンターでは、店舗ごとに出荷する衣料品を納品書とともに段ボールに詰め出荷する。通常だと、ここで1つ1つのバーコードを読み、出荷検品を行うが、実証実験では、数枚をまとめてRFIDリーダの上を通過させるだけで作業ができ、大幅な作業の軽減につながったという。

出荷検品に使うRFIDリーダを内蔵した装置。水色の部分にリーダがある

出荷検品に使うRFIDリーダ(右)とアンテナ(左)

値札のICタグに書き込むRFIDライタとラベル印刷を兼ねる装置。ICタグには、商品コード、サイズ、色などを書き込む

ICタグを埋め込んだ値札。1枚あたり20-30円のコストがかかるという

また、各店舗ではこれまで1つ1つの商品をバーコードリーダで読み在庫を確認していたが、商品1つずつ取り出して確認するため、商品のたたみ直しなどの作業が発生するが、RFIDでは商品にリーダをかざすだけで確認できるため、作業時間の大幅な短縮につながり、実験行った店舗での店員の評価も高いという。

バーコードの場合、商品の値札を取り出し、1つずつ在庫を確認する必要があるが(左)、ICタグの場合は離れた場所から読み込むことが可能(右)

今回の実証実験は、RFID装置とアプリケーションのデータ連携には、アイエニウェアのミドルウェア「RFID Anywhere」の採用されている。RFID Anywhereのメリットについて、アイエニウェア・ソリューションズ エンジニアリング統括部 境直人氏は、システム連携が容易な点を挙げた。通常RFIDの導入では、既存アプリとの連携を行うために、インタフェースの部分を新たに開発する必要があるが、RFID Anywhereがその部分を吸収、既存システムに影響を与えないRFID対応が可能だという。

「RFID Anywhere」とは