米Appleがカリフォルニア州クパチーノの本社で、現地時間の17日に「iPhone 3.0」のプレビューイベントを開催した。iPhone SDKに1,000以上のAPIが追加され、iPhone OSはコピー/ペーストやボイスメモなど100以上の新機能を備える。iPhone Software担当のシニアバイスプレジデントScott Forstall氏は「開発者とユーザーのどちらも驚かせる数多くの機能群を備えたメジャーアップグレード」とアピールした。
6月末まで医療休暇を取っているSteve Jobs氏に代わって、今回のスペシャルイベントはiPhone/ iPodのマーケティング担当バイスプレジデントのGreg Joswiak氏と、iPhone OS開発を率いるForstall氏の2人が担当。まずJoswiak氏によるiPhoneの情報アップデートから始まった。
2年前に米国のみでの発売からスタートしたiPhoneは現在、世界80カ国で販売されている。2008年の1,000万台という目標は"1,370万台"でクリア。2008年末までの累計では1,700万台に達する。またiPhone OSを搭載するもう1つのデバイスiPod touchも加えると、同時期の販売台数は3,000万台になる。
ちょうど1年前の春のスペシャルイベントで、AppleはiPhone SDKを含むiPhone 2.0を発表した。SDKのこれまでの累計ダウンロード数は800,000件。iPhone Developer Programに参加している個人/ 企業は50,000だという。しかも、そのうち62%はAppleプラットフォーム向けに初めてソフトウェアを開発するデベロッパである。
App Storeは8カ月で8億ダウンロードを達成した。現在同ストアが扱っているアプリ数は25,000本。スタートからしばらくはAppleによる認可プロセスに混乱や開発者からの不満が見られたが、今はプロセスが落ち着き、今年2月には申し込まれたソフトウェアの96%が承認された。認可までの時間についても98%が7日以内で完了するほどに短縮されているそうだ。
iPhoneはiPodと同様に幅広いユーザーに受け入れられている製品であり、昨年投入されたiPhone 2.0によってデベロッパを巻き込んだエコシステムが築かれようとしている。その基盤の上で、さらにiPhoneを進化させようという試みが、今回プレビューされる「iPhone 3.0」だ。